研究課題/領域番号 |
24530445
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松野 成悟 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 教授 (30290795)
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研究分担者 |
内田 保雄 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 教授 (70321487)
挾間 雅義 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 助教 (20609789)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 経営学 / 経営情報 / SCM / 情報共有 / 環境経営 |
研究概要 |
本研究の目的は、近年多くの企業が取り組みを強化しているサプライチェーン上での環境配慮活動に関する企業間協力・連携(グリーンSCM)について、その効果的な構築・実現に向けての課題を検討し、環境負荷低減(環境パフォーマンス)と経済効率(経済パフォーマンス)の両者の改善・向上を可能にする統合的グリーンSCMフレームワークを構築することにある。そのため、本研究では企業間アライアンスと情報共有の問題を中心に分析し、グリーンSCMの実施に果たす情報ネットワークの役割の解明と、グリーンSCMの実施が企業パフォーマンスに与える影響を理論的・実証的に明らかにすることをめざす。そして、グリーンSCMの実施に効果的な企業間情報共有を支援するための具体的な情報システム構成の確立と提案をめざすものである。 本研究の1年目となる平成24年度は、(1)グリーンSCMの現状分析と情報ネットワークの役割の考察、(2)グリーンSCMの実施と企業パフォーマンスとの関連分析、(3)仮説構築と質問票調査の企画・設計の3項目を中心に研究を進めた。なかでも(1)と(2)に関しては、企業におけるグリーンSCMへの取り組みの現状と動向を把握し、とくにグリーンSCM実施を契機とする企業間関係の変容について考察した。その結果、企業におけるグリーンSCMへの取り組み姿勢の背後に「利益貢献・価値創出」因子と「外部環境適応」因子が影響を与えていることを明らかにした。また、グリーンSCMの導入・実施によって既存業務の見直しや企業間関係の再構築が促される側面があることや、そこに企業間情報ネットワークの果たすモデレータとしての役割があることなどを見い出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、近年多くの企業が取り組みを強化しているサプライチェーン上での環境配慮活動に関する企業間協力・連携(グリーンSCM)について、その効果的な構築・実現に向けての課題を検討し、環境負荷低減(環境パフォーマンス)と経済効率(経済パフォーマンス)の両者の改善・向上を可能にする統合的グリーンSCMフレームワークを構築することにある。そのため、本研究では企業間アライアンスと情報共有の問題を中心に分析し、グリーンSCMの実施に果たす情報ネットワークの役割の解明と、グリーンSCMの実施が企業パフォーマンスに与える影響を理論的・実証的に明らかにすることをめざす。そして、グリーンSCMの実施に効果的な企業間情報共有を支援するための具体的な情報システム構成の確立と提案をめざすものである。 本研究の1年目となる平成24年度は、(1)グリーンSCMの現状分析と情報ネットワークの役割の考察、(2)グリーンSCMの実施と企業パフォーマンスとの関連分析、(3)仮説構築と質問票調査の企画・設計の3項目を中心に研究を進めた。なかでも(1)と(2)に関しては、企業におけるグリーンSCMへの取り組みの現状と動向を把握し、とくにグリーンSCM実施を契機とする企業間関係の変容について考察した。その結果、企業におけるグリーンSCMへの取り組み姿勢に影響を与える因子の抽出や、グリーンSCMの実施に果たす企業間情報ネットワークの役割を見い出すなどの成果が得られたため、研究目的の達成度は今年度の研究計画に照らし合わせておおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、平成24年度に得られた研究結果をもとにして、質問票調査の実施とそのデータ解析・統計的モデリング、企業間情報共有の有効性に関するシミュレーション分析を中心に研究を進める。具体的には、(1)質問票調査データの解析によるグリーンSCM実施のパフォーマンス分析、(2)グリーンSCMにおける情報共有の有効性に関するシミュレーション分析、(3)グリーンSCMにおける情報共有に効果的な情報システム構成の検討の3項目を中心に研究分担者と協力・連携して精力的に研究を推進する予定である。 つづく平成26年度は、平成24・25年度に得られた研究結果をもとにして、統合的グリーンSCMフレームワークを構築していく。すなわち、(1)グリーンSCMにおける情報ネットワークの役割、(2)グリーンSCMの実施とパフォーマンスとの関連性、(3)グリーンSCMにおける企業間情報共有の有効性、(4)グリーンSCM実施に最適な情報システム構成などを総合して、環境および経済パフォーマンスを同時追求する統合的グリーンSCMフレームワークの構築をめざす。そして、構築したフレームワークは、実務家によるレビューなどを通じてその洗練化・一般化の度合いを高め、よりロバストなフレームワークとなるように検討を加えることを予定している。 研究代表者ならびに2名の研究分担者はいずれも同一の教育機関に所属しているため、連絡調整状況は良好である。また、3名の研究者は従前から共同研究を進めてきており、共著論文も発表している。このような3名の緊密な連携下において引き続き共同で本研究課題を遂行していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究では研究期間を文献サーベイや事例研究を中心として理論的な研究を深める1年目、質問票調査の実施とそのデータ解析・統計的モデリングや、企業間情報共有の有効性に関するシミュレーション分析を中心とする2年目、効果的な企業間情報共有を実現する具体的な情報システム構成の検討を進め、統合的グリーンSCMフレームワークを構築する3年目とに大きく区分し、漸次構造化アプローチを用いて研究成果の着実な積み上げを図ることを計画している。 したがって、次年度の研究費の使用計画は、以下に示すように大きく4つの項目を予定している。すなわち、(1)今年度に引き続きグリーンSCMや企業間情報共有、アライアンス等に関する図書の購入、(2)企業へのインタビュー調査や質問票調査の実施に関わる郵送料や旅費、謝金、(3)データ解析・統計的モデリングやシミュレーションに必要なPCや周辺機器類、パッケージ・ソフトウェア等の購入、(4)本研究で得られた成果を随時国内外での学会等で発表し、また学術誌へ投稿するために必要な学会参加費や旅費、論文投稿料などである。
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