本研究では、価値づくりを機能的価値と意味的価値を合わせた統合的価値の視点から説明する枠組みを理論的に発展させ、その妥当性を実証した。生産財と消費財の両方で、価値づくりの効果的な経営に関する概念を創出できた。生産財では、顧客の利益向上を提案するソリューション価値の創出が鍵を握る。消費財では、機能、使用性、デザインなどを統合した価値が求められる。これらを理論構築、事例分析(ダイソン、ソニー、シスメックス、横河電機、マツダ、アップルなど)、質問票調査(197社の生産財企業)によって、理論的・実証的に明らかにした。統合的価値の重要性と、そのマネジメントへの示唆を提示できた。
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