国内研究のうち、アルプス電気盛岡工場からのスピンオフを対象に研究を継続実施した。この研究は、職場、社会ネットワークを同じくする集団を対象とし発見と創造を比較検討する実証研究であり、本研究の結果として、一つの職場で同じ企業文化、同様の職務経験を持つ起業家であっても発見・創造の双方が確認できた。加えて本事例で発見・創造を分けたものは技術進歩と産業の成熟度合であることを示唆できた。本研究は論理を整えて、2015年4月末に日本経営システム学会に論文投稿を行った アルプス電気盛岡工場を対象とする上記研究の補完を意図して、日本IBM、リクルートの両社を対象とする研究を実施したが、ここからは起業意図(Entrepreneurial Intention)は企業文化に影響を受けるが、むしろ企業の成長過程の特定の時期と関連しており、その期間に採用された社員が起業意図を強く持ち、その結果、起業機会の探索を積極化し、社会的ネットワークを活用しようと試みる傾向があることが見い出せたが、この知見についてはより詳細な研究が必要である。 スウェーデンを対象とする研究は大学からのスピンオフを対象とするものであり、卒業生起業家へのインタビューの結果、当然ではあるが教育のカリキュラムと起業家が発見した起業機会が密接な関係あることが確認できた
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