研究課題/領域番号 |
24530471
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
斉藤 正章 放送大学, 教養学部, 准教授 (00257180)
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研究分担者 |
洞口 治夫 法政大学, 経営学部, 教授 (20209258)
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キーワード | 音楽産業 / 国際経営 / 国際情報交換 |
研究概要 |
2013年度は2度にわたり、韓国で聞き取り調査を行った。1度目の取材の内容は主に韓国業界におけるインディーズの位置づけと大手音楽会社との関係、韓国の音楽産業におけるストリーミングの重要性やその業界の構図についてである。また、韓国政府が積極的に音楽産業を支援しているという話を聞くことができた。研究との関連としては、最初に韓国内の音楽事情について把握することであったので、その目的はほぼ達成することができた。また、、世界展開する大手音楽企業2社の重役に対するインタビューを行い、研究題目と深く関連する話を伺うことができた。C.J Ent社のキム部長からは、ケーブルテレビや映画、ミュージカル、コンサート運営といった多角化経営について聞き取りを行い、日本企業とも深く連携する話を聞いた。また、SM ENT社のアン・スウク本部長とは、これからの国際展開について日本企業との提携の可能性について議論した。その中で、日本企業は日本市場しか見ていないとの指摘も受けた。 2度目の訪問では、ソウル大学李准教授と韓国の音楽産業の比較制度分析的な視点から話を伺った。また、ジェンダー・ステイタス論からの消費動向の分析には大変興味深いものがあった。午後は弘大に移動し、インディーズ系の音楽事務所であるelectrical muse社の社長から、韓国にけるインディーズ系の生き残り戦略から日本支出についてインタビューを行った。さらにC.J Entertainment社のプロデューサーと音楽投資部長から、プロデューサーとアーティストの関係、曲作りからプロモーション、音楽配信について聴取した。また、音楽投資部長からは、アドバンスについて、日本と韓国の違いについて議論した。準政府機関である韓国音楽振興院を訪問し、振興課長から韓国の音楽振興における役割についてインタビューした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本、米国、韓国と個別の国の聴き取り調査は進展したが、音楽産業そのものの複雑さ(変化の速さ)とアーティストの育成や投資と報酬の配分に関する国別の差異、政府の関与の濃度の国別の違い等、全体をどう統合していくかについて非常に難航している。 また、当初訪問予定であったヨーロッパの事情について、予算不足から行くことができず、国際化を語る上で、大事なピースが欠けていると感じている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのインタビュー内容をまとめ、研究テーマでもある音楽産業の国際経営とその課題についてまとめの作業を行う。具体的な内容としては、未完成のテープ起こしや韓国の音楽振興院で入手した資料の翻訳作業をまず、行う。その後に仮説の見直しを行い、全体を統合する作業を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
韓国音楽振興院で入手した資料の翻訳作業につき、翻訳者の都合で当該年度内に翻訳が間に合わず、次年度に作業をお願いすることにしたため。 予定通り、翻訳作業の謝金に充てる。
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