研究課題/領域番号 |
24530472
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研究機関 | 江戸川大学 |
研究代表者 |
安田 英土 江戸川大学, 社会学部, 教授 (40327242)
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研究分担者 |
董 光哲 江戸川大学, 社会学部, 准教授 (50440178)
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キーワード | 産学連携 / 中国大学 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本年度は、前年度予定しながら実施できなかった中国地域における産学連携調査と、先行研究・関連文献の調査・検討を継続的に行った。 中国地域における産学連携調査については、平成25年5月に中国全土の総合大学・理工系大学422校に対してアンケート調査を実施した。回収数は37大学(回収率8.8%)と極めて少数にとどまったことは残念である。だが、集計結果と簡単な分析については、研究・技術計画学会第28回年次学術大会にて、「中国における産学連携の推進─大学側から見た現状と課題」として報告を行った。さらに、平成25年11月-12月には、上海地区の五大学に対してインタビュー調査を実施し、産学連携の推進体制、実際のプロジェクト運営、中国企業と外資系企業との産学連携の相違、といった事柄について情報収集を行った。上記、アンケート調査とインタビュー調査の結果については、「中国の大学における国内・国際産学共同研究の比較分析」として取りまとめ、江戸川大学紀要第24号に発表した。 一方、平成25年年末から日中関係は急速に悪化し、年度末に予定していた北京地区の大学への訪問調査を延期せざるを得なくなってしまった。また、上海地区の大学に対する追加調査や補完的調査も断念せざるを得なかった。研究遂行上、深刻な状態に陥っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
最大の問題点は、日中関係の悪化である。日中関係の情勢を考慮し、悪化した場合に備えた対応を考えていたが、予想以上の緊張感が高まっている。このため、中国現地の調査が十分に進んでおらず、当初想定した計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は計画最終年度に当たり、研究成果のとりまとめを行う必要性がある。だが、中国現地の調査については、日中関係の改善が進まない限り、調査の遂行が非常に困難である。このため、現在までに入手したデータの活用が可能な、新たな視点で分析を進めたいと考えている。具体的には、中国以外にも調査対象地域(欧米、アジア地域)を拡げ、各地に進出する日本企業のR&D拠点に対し、産学連携に関するアンケート調査を実施する。可能な限り訪問インタビュー調査も行い、中国地域における産学連携を通じた日本企業の国際的R&D活動と、他地域における産学連携を通じた日本企業の国際的R&D活動を比較分析し、質的な相違点を見いだすことに勉める。
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次年度の研究費の使用計画 |
中国現地調査が遅延しているために、日系進出企業に対するアンケート調査が実施できていない。このためアンケート調査費用が未使用のまま残っている。 今後の研究の推進方策にも記した通り、発生した次年度使用額は、日系企業に対する拡大アンケート調査費用並びに親企業アンケート調査費用に充当する。
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