欧米の経験豊かな起業者と同様、日本でも創業後7年以上経過した創業者の場合、合理的なアプローチよりもエフェクチュアルなアプローチ(机上の綿密な計画策定よりも実際の創業行為を重んじるアプローチ)を採る傾向があるということが質問票調査の結果から見いだされた。しかし、産業ごとにエフェクチュアルアプローチを採用する傾向に差異があること、および創業経験が二回以上ある連続起業者の場合には合理的アプローチを採用する傾向が強かったことなどが見いだされた。 これらの結果は、既存の理論とは異なっている。この差異が生じた原因を解明して確たる結論を得るためには、さらなる検証が今後必要となる。
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