日本企業にとって、国際化の進むビジネスフィールドで欧米企業はもちろん新興国の企業と戦うためにも戦略的合併及び買収(M&A)をどのように行っていくかは極めて重要なテーマである。本研究は、日本企業のM&A活動について特に、意思決定のバイアス、失敗という視点から調査・検証を行った。ファイナンスや戦略の視点から「合理的」な意思決定とされがちなM&Aの意思決定に関し、実は行動経済学的で指摘される前例踏襲、他社のまね的なパターンが頻繁に見られること、また必ずしも「経験」がプラスに働くとは限らないことが発見され、今後の日本企業の経営にとって重要な示唆を実務的にも学術的にも明らかにすることができた。
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