研究課題/領域番号 |
24530479
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
潜道 文子 拓殖大学, 商学部, 教授 (60277754)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ソーシャル・エンタープライズ / 社会的起業家精神 / 企業倫理教育 / 日本型企業倫理 / 社会起業家の活動の発展プロセス / CSR |
研究実績の概要 |
2015年度は、まず、第1に、成果をあげる社会起業家が有するであろう「社会的起業家精神」に関わる研究を行った。また、その社会的起業家精神を必要とすると考えられる企業のCSR経営について、特に、社会的起業家精神によって可能となると考えられる「公益」の領域での活動から「私益」を生み出す企業における新しい事業について検討した。 第2に、ソーシャル・エンタープライズ(SE)の発展のプロセスについて、事例を用いて分析を行った。 第3に、日本の伝統的ビジネスにおける倫理性や社会的起業家精神について研究を行った。また、連携研究者の櫻井秀子氏の専門であるイスラーム圏における経済行為と利他主義が不可分であるという社会に内在する倫理的社会システムにおけるイスラム型ビジネスと、日本の伝統的ビジネスに組み込まれていると考えられる倫理性との共通性と優位性についての研究を行った。 第4に、日本のSEの調査を通じて得られた倫理性と日本のCSR経営を支える日本型企業倫理についてそれらの特徴と優位性について考察を行った。 第5に、それらのビジネスにおける倫理性を育成するための教育に対して、大学がどのような役割を果たすべきであるか、ということに着目し研究を行った。また、大学でのそのような教育が、現代のグローバル社会に必要とされるグローバル人材の育成とどのような関係をもつかということについて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2015年度は国内外の学会等の発表を重視し本研究を進めたことから、論文や図書等の執筆予定がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
日本のSEについては、これまでインタビュー調査等を通じて得た情報から、事例を中心にSEとしての成功要因を整理し、論文を執筆する予定である。 海外のSEについては、日本とは異なる社会、経済、政治、文化等の環境を考察し、SEの活動の特徴に影響を与えているであろう、環境(背景)を中心に考察する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、予定していた国内外のソーシャル・エンタープライズへのインタビュー調査等が計画通りすべてを実施するに至っていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
国内外のソーシャル・エンタープライズへのインタビュー調査、およびこれまでの研究成果に関して国際学会にて報告することを計画している。 また、論文執筆に関する資料入手等に使用することを計画している。
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