研究課題/領域番号 |
24530486
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
近能 善範 法政大学, 経営学部, 教授 (10345275)
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キーワード | 先端技術開発協業 / 自動車産業 / サプライヤー / 共同開発 / 取引関係 |
研究概要 |
本年度は、①㈱アイアールシー発行の『主要自動車部品の生産流通調査』84年版~08年版(3年ごと)のデータを用いて、自動車メーカー・部品サプライヤー間の部品レベルでの取引関係(「モノの取引関係」)について、また②1983年から2009年までに自動車メーカーが出願した全ての特許データと、その間に自動車部品メーカーが自動車メーカーと共同で出願した全ての共同特許データ、ならびに1990年から2009年までに自動車部品メーカーが出願した特許数のデータを用いて、自動車メーカー・部品サプライヤー間の先端技術分野での取引関係(「知の連携」)について、それぞれパテント・マップ分析と社会的ネットワーク分析の手法を組み合わせた定量的な分析を行った。その結果として、かつて「系列」と称された日本の自動車メーカーと部品サプライヤーの間の「緊密」で「クローズド」な取引関係が、少なくとも「知の連携」の部分では依然として「緊密」ではあるが、「モノの取引関係」の部分では(かつてに比較すると)「ややオープン」な関係へと、特に90年代の半ばから2000年代初頭にかけて、確実に変化してきたことが明らかになった。また、「知の連携」の部分でも、徐々にではあるが、(かつてに比較すると)「ややオープン」な関係へと変化している傾向が見られることを、目に見える形で提示することができた。 こうした成果は、法政大学経営学会の研究会で報告し、法政大学イノベーション・マネジメント研究センターワーキングペーパーシリーズで公表する(2014年4月末現在で校正作業中)と同時に、学術誌に投稿し公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
査読誌への投稿・掲載が進まないなど、研究成果の公表については予定よりも遅れているが、分析作業については予定通り進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、定量的な分析によって得られた結果をフィードバックし、また背後にあるロジックを含めて正確に解釈するために、自動車メーカーおよび主要サプライヤーへのインタビュー調査を精力的に行っていきたいと考える。 また、本年度は研究の最終年度となるため、調査・研究の成果を論文の形にまとめ、研究ワークショップや学会での報告、国内・海外の査読誌への投稿を精力的に行いたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に支出する予定であった英文校閲費用が、論文の執筆の遅れから支出する必要がなくなり、また自動車メーカーおよび主要サプライヤーへのインタビュー調査のための旅費を、遠距離への調査を控えたことによって予定よりも抑えることができたため、予算が余る結果となった。 次年度使用額139,953円のうち、60,000円を論文の英文校閲費用に、残り79,953円を自動車メーカーおよび主要サプライヤーへのインタビュー調査のための旅費にあてて、平成26年度中に支出する予定である。
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