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2012 年度 実施状況報告書

女性中堅社員の幹部への育成を支援する組織マネジメントシステムについての研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530488
研究種目

基盤研究(C)

研究機関法政大学

研究代表者

高田 朝子  法政大学, イノベーション・マネジメント研究科, 教授 (10349194)

研究分担者 恩蔵 三穂  高千穂大学, 商学部, 教授 (10287956)
横田 絵理  慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20277700)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード女性活用 / 組織マネジメント / ダイバーシティ
研究概要

平成24年度は次年度の本調査に向けて、様々なパイロット調査を行った。組織の仕組みやリーダーシップや本人達の意識はなにかを明らかにするために、今年度は主としてインタビューとフィールドワーク中心の企業における実態調査を行った。女性管理職を輩出している企業を選択し,彼女達を育ててきた組織環境について,調査した。調査事項としては,人事制度,業績評価制度,教育システムを中心に調査をした。
特にインタビュー調査の対象者として、一つの企業につき①現在女性中間管理職の手前にいる当該年齢レンジの女性、②彼女の管理職昇格を支援した上司③彼女の同期の男性社員④会社の人事部についておこなった。同時に、女性を支援している公的機関についてもヒアリング調査を行い実態の把握をおこなった。具体的には鹿児島銀行、広島銀行、愛媛県庁、今治タオル組合、福岡県男女共同参画センターあすばるである。
当研究の出発点である21世紀職業財団(2003)の調査では女性が昇進に対して意欲的ではない理由として、「責任が重くなるから」42.8%「仕事と家庭の両立が図れる自信がないから」39.6%「今のままで特に不満はないから」36.4%等とする管理職になることを好まない女性達がどのようにして心境変化をしていくのか。そのための仕組みについて今後考えていくいあたって、パイロット調査から、『女性をのばす上司」の存在が浮き彫りになった。彼女達に上司のどのような態度や行動に正の影響を受けたのかをについて質問したところ、共通して四つの共通の特徴がみられた。男女の別なく部下を扱っていたこと、部下が物事に取り組んでいるプロセスを丁寧に観察していてそれを評価してくれること、当時の実力より高度な仕事を任せそれを見守ってくれたこと、そして自分を育てようとしていることが感じられることであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ最初の計画通り、順調に推移している。
ただ、当初に想定していた大企業のみならず、中堅企業で働く女性も調査対象にいれることにした。それというのも、24年度の調査ででてきた女性が昇進を望むための環境において上司の存在が大きな影響を与えているという仮説が導き出されたことから、企業規模においても上司の影響が関係するのかについて興味を持つようになった。
よって、25年度の調査においては中小企業も数社調査の対象にする。

今後の研究の推進方策

平成25年度は本格的な調査として、
①入社後8年から15年の女性中堅社員が管理職昇進を一つの目標として仕事に精進するための組織マネジメントの仕組み(業績評価、人事システム、教育システム)とはどのようなものか、彼女達を育成する上司とはどのようなマネジメントスキルや方針を持つのか。②女性中堅社員達にとって、どのようなマネジメントスキルやキャリアアップへの考え方が必要でそれはどのようなキャリアパスから育成されるのか、又、どの能力を磨けばよいのか。③どのような異動を経験すると人的ネットワークが拡大するのか、それはどのように仕事に対する動機付けに役立つのか。④現在、管理職にある女性は女性中堅社員達の仕事の継続性や昇進のロールモデルとして機能しているのか、機能しているとしたらどのような手段でロールモデルとなり得たのか。
についてを明らかにするために、
第一段階として、A)入社後8年から15年で同期入社の男性と同様に管理職が射程圏内にある女性 B)女性社員を育成することに定評がある上司 C)ロールモデルとしてあげられた女性中間管理職らの聞き取り調査を行う。インタビューによって女性中堅社員本人とロールモデルである女性中間管理職のマネジメントスキル(例えば自分と組織がストレス状況下にあるときどのように対応するのか、何が本人の動機付けの源泉なのかなど)を洗い出す。次に、企業全体のマネジメントとはいかなるものか人事施策を含めて多角的に調べる。次に組織マネジメント(例えば業績評価、人事システム、教育システムなど)と企業としての人材活用の方針についてインタビュー調査を中心に探る。第二段階として上記調査結果から彼女達自身の能力と、組織についての仮説を定量的に検証する。第三段階において具体的提言をまとめ社会にて向けて発表を行う。

次年度の研究費の使用計画

昇進を望む女性をふやすためのインプリメンテーションを作成し、学会ならびに社会にむけて発表する。最終的な成果として、優秀な女性社員をいかに発見し育成し活用するかということが具体的に研究で示される。組織にとっては、どのように能力のある女性をどのように発見し、人事配置をして育成するのか、そして企業のマネジメントシステムの中でどのように処遇していくのか具体的な全体像が示されることになる。又、女性中堅社員にとっては、自分のどのような能力を研鑽すれば昇進する可能性が広がり、昇進することによって自分のキャリアがどう変化し、どのような発展ができる可能性があるのかということが具体的に研究で示される。

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公開日: 2014-07-24  

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