本研究では、階層的な取引構造に埋め込まれた製造業あるいは広告制作業に従事する中小企業において、いかに協力的な関係を通じて新たな場が成立するかについてのプロセスを明らかにした。ビジネスを主体とした実践が協業関係の発生を伴うものにどのように変異するかについて、他者との間のやり取りを通じた意味形成という点に着目した。 また、本研究は調整者やプロデューサーとしての役割や実践に着目するだけでなく、実践に巻き込まれて未知なる領域で活動に踏み出す追随者の認知的な変化や実践にも焦点を当てた。研究の方法は、関係的な資産やネットワークへのリフレクションに関する調査を通じて、質的研究のアプローチを採用した。
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