本研究の成果は主に以下3つの点に集約できる。第一に,日本自動車メーカーにおけるサプライヤー・システムをドイツメーカーのシステムと比較し,日本メーカーの優位性は,製品バラエティ構造の差異をベースとして成立していることを明らかとした。第二に,新興国における日本自動車メーカーにおけるサプライヤー・システムは,長期的観点からのサプライヤーの育成によって支えられている一方で,そのような方式は短期的な便益を犠牲とする,という点を明らかにした。第三に,新興国における中小2-3次サプライヤーの支援という日本自動車メーカーにおける今後の課題を明らかとした。
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