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2013 年度 実施状況報告書

ワーク・ライフ・バランスの一環としての両立支援策の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 24530492
研究機関和光大学

研究代表者

坂爪 洋美  和光大学, 現代人間学部, 教授 (10329021)

キーワード両立支援策 / 短時間勤務制度 / 女性のキャリア形成
研究概要

両立支援策の導入に際しては、出産・育児というライフイベントを経ても就業継続を可能にすることに重きが置かれてきたが、就業継続を通じた従業員のキャリア形成(能力の向上や昇進昇格)への影響は十分に検討されてきていない。そこで、両立支援策の中でも、短時間勤務制度に焦点をあて、育児による短時間勤務利用者の第一次評価者である管理職を対象として調査を実施した。管理職を調査対象としたには、従業員のキャリア形成に対しては、①上司の当該部下のキャリアに対する認知や展望、②仕事の与え方が影響を与えるからである。
調査は、現在育児による短時間勤務制度を利用中の正社員を、第一次評価者として部下とする管理職(従業員規模は300名以上)1003名を対象として実施された。調査票は、①所属企業の両立支援策を含むHRM施策の概要、②短時間勤務者制度利用者の仕事ぶりやキャリアに対する認知、③管理職自身のリーダーシップなどを中心に構成された。
調査結果は、現在分析中であり、現時点では明確な結果は得られていないが、単純集計からは、①短時間勤務制度利用者は他の従業員と比べて仕事に対する意欲が低いといった認識を管理職は持っていないこと、②短時間勤務制度の利用は、一時的なキャリアの遅れを生み、その遅れはその後も小さくはならないと捉えている管理職の割合が高いこと、③キャリアアップにつながるような仕事は任されにくいと考える管理職の割合が低くないこと、④短時間勤務者の就業継続や育児との両立に対して配慮する管理職の割合が高いこと、などが確認されている。
短時間勤務制度利用者の現状を否定的には捉えていないが、仕事に対するドライブをかけるというよりは、育児との両立への配慮が重視されている現状が確認されたと言えよう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記のように判断した理由は以下2点である。第1に、短時間勤務者を第一次評価者として管理する管理職に対する調査は実施できたが、その分析がまだ途中であり、学会発表ならびに論文投稿という段階に至っていない点である。第2に、短時間勤務制度利用者に対する調査を2014年3月に実施する予定であったが、調査対象者確保上の問題で2014年度以降に順延になった点である。

今後の研究の推進方策

2014年度は、前述の管理職調査の分析を進め、結果の公表を目指すと同時に、短時間勤務制度利用者に対する調査(短時間勤務制度が利用可能でありながら利用しなかった者も含める)を実施する。
これらの調査の分析を通じて、両立支援策を利用する従業員のキャリア形成の在り方と期待される上司の役割を明らかにする。その結果を踏まえ、企業におけるワーク・ライフ
・バランス施策(特に両立支援策について)の展開を提言する。

次年度の研究費の使用計画

前述したように、2013年度内に短時間勤務制度利用者を対象とした調査が、対象者を確保できなかいという理由のため、実査に至らなかったためである。
調査対象者を確保すべく、条件の緩和と調査概要を再検討し、2014年中に短時間勤務制度利用者ならびに利用可能でありながら短時間勤務制度を利用しなかった者を対象とした調査を実施する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 両立支援策を利用する部下をもつ経験から管理職は何を学ぶのか2013

    • 著者名/発表者名
      坂爪洋美
    • 学会等名
      経営行動科学
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20131026-20131027

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公開日: 2015-05-28  

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