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2012 年度 実施状況報告書

組織能力と組織・製品アーキテクチャによる韓国と日本企業のグローバル戦略比較調査

研究課題

研究課題/領域番号 24530493
研究種目

基盤研究(C)

研究機関早稲田大学

研究代表者

朴 英元  早稲田大学, 高等研究所, 招聘研究員 (90526485)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード組織能力 / 組織・製品アーキテクチャ / グローバル戦略 / モジュラー / インテグラル / 韓国企業 / 日本企業
研究概要

本研究では組織能力と組織・製品アーキテクチャの視点に基づき、韓国企業と日本企業のグローバル戦略を比較分析することで、両国企業間のグローバル戦略の差異を明らかにするために、韓国のみならず、日本の製造業に焦点を当て、先進市場の欧米地域だけではなく、いわゆる新興国市場である中国・インド・ブラジル・ロシアなどに展開している両国企業の比較分析を行うことを目的としている。多くの日本企業は、欧米先進国市場はもとより、本格的に新興国での現地化戦略を展開している韓国企業より先に、中国、インド、ブラジルなどの新興国市場に進出したが、真の意味での現地化ではなく、本国のプレミアム製品の旧型モデルの組立販売に近かったのである。一方、韓国企業は徹底的にローカルニーズを調べて、その顧客の声に合わせた製品開発を行い、新興国市場に投入することでグローバル成功を獲得してきたと言える。
研究初年度である平成24年度では、こうした両国のグローバル戦略を比較するために、3つのコンピタンスと組織・製品アーキテクチャとの関係を示すフレームワークに基づき、インタビュー調査項目を洗い出した。
次に、研究フレームワークと調査項目に基づき、中国、インド、ASEAN、南アフリカ共和国などの新興国に進出している韓国と日本の大手製造業を訪問し、ものづくり現場の視察とインタビュー調査を行い、日韓企業の比較を行った。さらに、製品アーキテクチャのモジュラーとインテグラル軸に基づき、韓国と日本企業のグローバル戦略の差異を比較し、欧米の先進市場とBRICsなどの新興国市場におけるグローバル戦略を比較する準備を行った。
さらに2012年度では、こうしたインタビュー調査に基づき、積極的に研究成果をまとめて、国際的に発信した。具体的な研究成果は、査読付き論文5本(そのうち、SSCIジャーナル2本)を出版した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究では、グローバル戦略を分析するために、組織能力をテクノロジーコンピタンス、カスタマーコンピタンス、リンケージコンピタンスのように、3つのコンピタンスに区分して、こうした組織能力と組織・製品アーキテクチャとの関係を分類するフレームワークを提示することで、組織能力と製品特性によるグローバル戦略を分析する新たなフレームワークを提示した。また、こうしたフレームワークに基づき、新興国戦略で日本企業より先んじて成功したと言われる韓国企業の事例を取り上げ、日本企業との比較分析を行うことで、日韓企業のグローバル戦略を国際経営論だけではなく、技術経営論・経営組織論・製品開発論といったより広い文脈の中に位置づけることを試みた。2012年度は、具体的に中国、インド、ASEAN、南アフリカ共和国などの新興国における日本と韓国企業を訪問し、インタビューを行うことで、本研究のフレームワークに当てはまる事例を集めることに成功した。また、その成果を論文としてまとめて、初年度から発信することで当初の計画以上に進展していると考えられる。
次年度は、日本と韓国の国内調査および中国、インドにおける日本と韓国企業の継続調査を行いつつ、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアなどの地域における日韓企業調査も継続する予定であり、本研究の目的を十分達成できると予想できよう。

今後の研究の推進方策

2013年度のインタビュー調査では、日本と韓国の国内調査および中国、インドにおける日本と韓国企業の継続調査を行いつつ、アメリカ、ヨーロッパ、ロシアなどの地域における韓国と日本の大手製造業を対象にフィールド訪問調査およびインタビューを継続していく。また、2012年度との比較のために、前年度行った企業の新興国地域におけるグローバル戦略の特徴を明らかにし、比較分析を実施する。
その成果を国際学会に2回以上報告し、さらにその成果をまとめて、国際ジャーナルに投稿していく計画である。
2014年度は本研究プロジェクトの最終年度であり、これまでの研究成果をまとめて、理論化を図り、その成果を国際的に発信していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

海外企業調査を5回(アメリカ:10日間×1回、東ヨーロッパ:10日間×1回、韓国調査:4日間×2回、ロシア:5日間×1回)、国内企業調査を4回(2日間×4回)行い、国際会議に2回報告する(4日間×2回)予定である。
また現地調査のための通訳借金および研究成果を発信するための研究成果発表資料印刷費を計上している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)

  • [雑誌論文] Supply chain lessons from the catastrophic natural disaster in Japan2013

    • 著者名/発表者名
      Park, Y. W., Hong, P., and Roh, J. J.
    • 雑誌名

      Business Horizons

      巻: Vol. 56 ページ: 75-85

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Product Architecture, Organizational Capabilities and IT Integration for Competitive Advantage2012

    • 著者名/発表者名
      Park, Y. W., Fujimoto, T. and Hong, P.
    • 雑誌名

      International Journal of Information Management

      巻: Vol. 32, No. 5 ページ: 479-488

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Benchmarking open and cluster Innovation : Case of Korea2012

    • 著者名/発表者名
      Park, Y. W., Amano, H. and Moon, G. W.
    • 雑誌名

      Benchmarking: An International Journal

      巻: Vol. 19, Nos. 4-5 ページ: 517-531

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Product architecture and integrated manufacturing information system: A comparative study of Japanese and Korean firms2012

    • 著者名/発表者名
      Park, Y. W., Hong, P., and Park, Y. S.
    • 雑誌名

      International Journal of Business Excellence

      巻: Vol. 5, No. 5 ページ: 485-501

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Complexity and Control: Benchmarking of Automobiles and Electronic Products2012

    • 著者名/発表者名
      Fujimoto, T. and Park, Y. W.
    • 雑誌名

      Benchmarking: An International Journal

      巻: Vol. 19, Nos. 4-5 ページ: 502-516

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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