研究課題/領域番号 |
24530494
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小林 英夫 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授 (80052546)
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研究分担者 |
金 英善 早稲田大学, 付置研究所, 講師 (40611067)
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キーワード | Tier1,Tier2 / サプライチェーン / 日韓自動車・部品企業 / 中国展開 |
研究概要 |
平成25年8月には韓国の現代自動車日本技術研究所や韓国を代表する独立系大手部品企業の万都東京事務所、積極的に中国進出を試みている日産系のカルソニックカンセイ本社、独立系の曙ブレーキを訪問し、中国サプライチェンの実態をヒヤリングした。続いて日韓部品企業が集中する中国の山東省煙台、日照、青島の日韓部品企業を訪問し、そのサプライチェンの実態をヒヤリングした。その際次年度の調査準備も兼ねて、同地域の韓国電装関連のTier2企業も数社企業訪問した。そこで得られた点は、山東省は圧倒的に韓国企業が強い力を持っていること、それらが日系企業のサプライチェンの一環に包み込まれている点であった。8月には北九州の日産自動車九州工場を訪問し、北九州という地理的条件を生かして韓国、中国東北の大連、上海地域までそのサプライチェンを伸ばしている同社の国際化の実態に触れると同時にシームレスな日韓部品供給体制の一環とその戦略をヒヤリングした。特に大連・韓国・北九州の結びつきが明らかとなった。9月には韓国を訪問し、昌原、群山、ソウルを回り、日韓合弁のエンジン部品企業、日韓合弁電装企業、鋼材企業を訪問し、その中国展開をヒヤリングすると同時にルノー三星、ジェトロを訪問し、自動車部品関連の企業活動を調査した。11月には日本の東北地区の自動車部品企業を訪問し、Tier2企業を選択してこれらの企業の海外展開の展望を調査した。いうまでもなく、平成26年度に向けた準備調査の一環であった。平成26年は2月に中国の常熟のトヨタ開発センターを訪問調査し、トヨタの中国展開とサプライチェンの今後像をヒヤリングした。こうして、かなり精力的な実態調査を展開することで当初予定していた日本、韓国でのサプライチェンの深堀を実施すること、来るべき第三年度に向けた中国でのTier2企業の予備調査を合わせ実施する課題を達成することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以上が平成25年度の調査概要であるが、これらの調査を通じて日韓両国企業のサプライチェンの実態が大要Tier1企業に関しては把握できたものと考える。しかし、当初計画していた広州、塩城地区への調査や、別ブランド車構想の展開といった点や平成26年に向けたTier2企業の実態予備調査といった点では若干の不充分性を残した点は否めない。もっとも、こうした不十分な点を補って余りある精力的な国内外ヒヤリングが展開できたとかんがえている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は最終年度なので、調査の取りこぼしを補てんすると同時に最終のまとめに向けたTier2企業の調査に取り掛かる予定である。そのためには、山東省や江蘇省、広東省を中心とした日韓両国Tier2部品企業に焦点を当てて、さらに中国地場企業にも光を当てて、その実態調査に取り組むつもりである。また、すでに常熟周辺には中小企業団地が稼働しているので、その実態分析にも取り組みたいと考えている。そして平成25年度に課題として取り上げながら十分に調査できなかった日産・東風、ホンダ・広州汽車合作の別ブランド車がサプライチェンに与える影響に関しては、今年度のプロジェクトの中で展開することとしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
購入予定の書籍が最終段階で入手不可になったため 次年度の書籍代に編入する。
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