研究課題/領域番号 |
24530505
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
崔 裕眞 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 准教授 (20589725)
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研究分担者 |
塩地 洋 京都大学, 経済学研究科, 教授 (60215944)
李 在鎬 京都橘大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (40342133)
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キーワード | 韓国自動車メーカー / デザイン戦略 / グローバル製品開発 / グローバル・マーケティング戦略 / デザインとブランディング経営の関係 / 現地化 / 売れる自動車デザイン / 重量級デザイナー |
研究概要 |
本研究の目的はグローバル自動車市場において過去10年にかけて顕著な成長を成し遂げた韓国自動車産業の競争力分析である。生産技術の発展に並んで、デザインとブランディング能力に大きな進展があったことに注目し、その要因を明らかにすることに定めている。さらに、本研究からの学術知識をもとに世界各国で競争関係にいる日本のメーカーにも有意義な考察点を示唆することも目指している。 自動車の機能的性能は数値化可能であり、商品価値を明示することが比較的容易であるが、デザインという要素は至極複雑且つ流動的な比較要素である。初年度の経験を踏まえ、本研究の二年目である2013年度は、次の2つのアプローチを展開した:1.韓国自動車産業全体のレベルで歴史的流れを俯瞰し、その中でのデザイン経営を再考、2.韓国の自動車デザイナーにコンタクトをとり、彼らの目線で韓国メーカーの成長について一次資料を確保。 「調査戦略の転換」を図った結果、上記1は、2013年度6月にフランスのGERPISAおよびイギリスのABH(経営史学会)で韓国自動車産業の成長史の導入的研究を発表し、またリサーチペーパーを提出・登録を果たした。しかし、上記2は難航した。まず、現役のデザイナーとのコンタクトは事実上全く許されていない。現役引退のデザイナーは接触は可能であるが、アーティストとしての個性と、それぞれのキャラクターにより、インタビュー・定性分析に殆ど応じてくれない結果となった。 2014年2月~3月にかけてヒュンダイ自動車の元チーフ(重量級)デザイナーのP氏やL氏と接触に成功し、導入的定性調査に成功した。2014年4月の時点では、こちらの資料収集チャネルの展開と拡大に最善を尽くしながら、2014年の秋まで一次資料を最大限確保すると同時に、国際学会(2014年6月GERPISA)での発表と学術誌への報告・投稿を実現することを目標としている。以上。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
二年目の平成25年は、自動車のデザインという要素は至極複雑且つ流動的な比較要素を軸にして、韓国自動車メーカーの飛躍的成長を分析することにおいて、次の2つのアプローチを展開した:1.韓国自動車産業全体のレベルで歴史的流れを俯瞰し、その中でのデザイン経営を再考、2.韓国の自動車デザイナーにコンタクトをとり、彼らの目線で韓国メーカーの成長について一次資料を確保。1の方は二回にわたりイギリス・フランスの学会で発表・論文の提出を果たしているが、2は平成26年1月まで非常に難航を極めた。2月末に初コンタクトに成功し、3月~4月にかけて進展に拍車をかけているが、初期の予定計画にはやや遅れが生じていることが事実である。平成26年の5月から8月にかけてさらに迅速な進展を実現する。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の研究推進ポリシーは非常に明確である:1. 2年間の努力の末、やっと実現された、韓国自動車メーカーの元重量級デザイナーとのインタビューを筆頭とする定性分析にさらに拍車をかけ、的確な一次研究資料を確保・分析することであり、2.集約・整理されたデータをもとに、研究を展開して国際学会・研究会でより迅速発表して、また学術誌に投稿することで結果を発信することである。さらに、3.平成27年度の科研申請を目指して、本研究の完成度を最大限高めることが研究推進方策と定められている。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究分担者の塩地洋教授は、1.平成25年度12月から平成26年度3月にかけて、ミヤンマーとカンボディア、そして中国への現地調査研究出張が重なり、海外滞在の日程が多く、更に2.複数の科研プロジェクトに関わっているため、研究費の使用枠が至極複雑になっていた。この2つの理由により、研究費の一部に未使用が発生した。 平成26年度も、前年と同様、重なる国内外の研究出張(とくに現地調査)に発生した次年度使用額(86,062円也)を全て使用する。
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