研究課題/領域番号 |
24530507
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研究機関 | 大阪商業大学 |
研究代表者 |
松永 佳甫 大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (60325561)
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研究分担者 |
山内 直人 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (90243146)
奥山 尚子 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (80617556)
松島 みどり 大阪商業大学, 総合経営学部, 助教 (20634520)
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キーワード | 社会的企業家精神 / 社会的企業 / リーダーシップ / ソーシャルキャピタル / NPO / ソーシャルビジネス / ソーシャルエンタープライズ |
研究概要 |
平成24年度研究実施状況報告書に記載したことのうち、平成23年度から平成24年度までの研究成果を、平成24年7月にベルギーのリェージュ大学で開催された4th EMES International Research Conference on Social Enterpriseで報告した。この報告で得られた知見に加え、リーダーシップ論、ソーシャルキャピタル論に関する研究を継続・蓄積した。またソーシャルキャピタルの概念を加味した社会的企業家のリーダーシップの特色に関するアンケート調査のデザインを行った。アンケート調査票をデザインする際、「ソーシャル・ベンチャーにおける企業家精神および経営戦略に関する実証的比較研究」(研究課題番号:21530425)でデザインした調査票を拡張するかたちで、社会的企業家のソーシャルキャピタル蓄積量を計測するために、パットナムによるソーシャルキャピタルの構成要素(信頼、互酬性の規範、ネットワーク)について、アンケート調査票を設計した。また(研究課題番号:21530425)のときは、社会的企業家のリーダシップを測るために、リーダーにのみアンケート調査を配布したが、予算が許せば、フォロワーに対してもアンケート調査を行い、リーダー自身とフォロアーに対してもアンケート調査を実施し、より客観性の高いデータを得て、定量モデルを分析することを目的に、アンケート調査のデザインを改良した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
社会的企業、リーダーシップ論やソーシャルキャピタル論、社会的企業家精神に関する文献研究を継続的に行うことにより、先行研究に費やす期間が当初の予定より増えた。その結果、本来平成25年度に完了する予定であったアンケート調査の実施およびデータ・ベースの作成は、平成26年度にずれ込んでいる。しかし、先行研究に十分な時間を費やしたことで、本研究課題の延長線上にある新たな研究課題(非営利組織の社会的企業のリーダーと営利組織の社会的企業のリーダーの特質の差を明らかにする)を見出すことが出来た。以上を鑑みると、当初の予定通り、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、実施したアンケート調査からデータベースを構築し、主にソーシャルキャピタル論の視点から、社会的企業のリーダーの特性を計量経済学の手法を用いて定量的に把握することを継続する。 社会的企業には営利組織の組織形態をとるものの両方が存在するが、これらの異なる組織形態を持つ社会的企業を率いるリーダーの特質の違いを定量的にしたい。これは社会的企業に関する研究に独特の研究課題であるため、取り組むことは意義深い。はたして、社会的企業が営利組織であれば、社会的問題の解決より利潤の最大化を重んじる傾向にあるのだろうか。このことについて、リーダーのソーシャルキャピタル蓄積量やリーダーシップ、それまでの職業経験、ビジネススキルも加味しながら、計量経済学の手法を用いて検証したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
アンケート調査票のデザインと実施が進行中であり、年度をまたぐため。 上述の理由により、平成25年度に発生しなかったアンケート調査を外部委託に対する費用が平成26年度に発生する。
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