研究概要 |
本研究課題の「研究の目的」は、米国ベンチャーキャピタル(VC)投資モデルに倣いVC支援施策を進めた米国以外の我が国及び主要各国において、VC、その投資先新技術ベンチャー(NTBFs)等に対する個別事例研究を実施する。その上で、我が国特有の起業環境を踏 まえて、VCの投資先、NTBFs育成は、いかにあるべきかを分析、VC、NTBFsへの経営へのフィードバック、及び、政策的な含意の提示を目指すものである。そのため、本研究では、VCの投資先NTBFs育成機能に焦点を当て、以下のリサーチクエスチョンを設定している。 1.米国以外の各国VCの投資先NTBFs育成の現状と課題は、いかなるものか 2.これら各国と我が国VCにおける投資先NTBFs育成の共通点及び相違点は何か 3.我が国VCの投資先NTBFs育成は、いかにあるべきか 本年度は、昨年度の研究を踏まえて、それをさらに進める形で実施した。リサーチクエスチョン1、2については、欧州のVC関連協会、個々のベンチャーキャピタリスト、大学、公的機関へのヒヤリングを実施した。特に、北欧、バルト三国のVC協会、及び、民間ベンチャーキャピタリストに対する詳細なヒヤリングを実施し、我が国へのインプリケーションとの観点から、複数の仮説を設定し、次年度以降の研究の礎とした。研究中間段階のものではあるが、欧州及びアジアにおける関連国際学会に参加、発表を行った。International Conference on Business Innovation, Entrepreneurship and Engineeringでは、Innovation Paper Awardを頂いた。また、リサーチクエスチョン3については、そのファーストステップとして、日本のVC業界の現況について、論文としてまとめている。
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