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2012 年度 実施状況報告書

中国消費者の日系ブランドに対する言説と行為の乖離の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24530520
研究種目

基盤研究(C)

研究機関一橋大学

研究代表者

古川 一郎  一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (60209161)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード面子 / 言説と行為の乖離 / ブランド / 中国人消費者
研究概要

本研究の目標は、「嫌いだけど買う」という、言説と行為の矛盾を説明する論理的フレームを構築することである。本研究の初年度である平成24年度においては、中国、日本、タイ、韓国の大学生を対象にアンケート形式による実験を行い、場のプレッシャー(Field pressure)の論理を実証的に考察した。
消費者が販売者との対面的な状況において、消費者が必ずしも望まないものを販売者の立場を考えて不本意ながら購入に至るという現象を説明するために、状況依存的な外部要因として「場のプレッシャー」という概念を新しく導入した。この場のプレッシャーに影響を及ぼす変数としては、商品関与の水準、対面販売の状況、販売員との関係の強さ・深さ、さらには消費者の面子意識の強さなどが含まれる。データの検証は単純な分散分析を用いて行った。
実証分析の結果は、フェース・ツー・フェースの状況においては、相手との関係性、製品関与の水準などにより、場のプレッシャーの大きさが左右され、その結果、購買行動にも影響が出てくる可能性が示唆された。
今回の調査対象者である女子大学生は、地域間を超えてある程度似通った人であると考えられるが、それでも、日本、中国、タイ、韓国といった地域により統計的に有意な差異があることが明らかになった。生まれ育った環境、文化により、場のプレッシャーの効果はかなり異なっていることが推測される。
なお、このアンケート調査に基づく研究は、国際的な共同研究であるが、その成果の一部は、2012年12月の日本マーケティング・サイエンス学会において報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は、本研究の初年度であり、「嫌いだけど買う」という言説と行為の矛盾を合理的に説明する論理の解明につとめた。矛盾を論理的に説明するために、状況依存的な外部要因として「場のプレッシャー」という新しいコンセプトを考案し、中国、日本、タイ、韓国の大学生を対象にしたアンケート形式による実験を行い、実証的な考察を行った。
この実証分析の結果は、フェース・ツー・フェースの状況においては、相手との関係性、製品関与の水準などにより、場のプレッシャーの大きさが左右され、その結果、購買行動にも影響が出てくる可能性を強く示唆している。なお、このアンケート調査に基づく研究は、国際的な共同研究であるが、その成果の一部は、2012年12月の日本マーケティング・サイエンス学会において報告を行った。

今後の研究の推進方策

平成25年度も、引き続き「嫌いだけど買う」という言説と行為の矛盾を合理的に説明する論理の精緻化を目指すと同時に、数量的に解析することが難しい実証データを上手く説明するための統計モデルの開発に努める。
論理を整理し数量的な分析をさらに精緻化するために、これまでの研究を土台にした「嫌いだけど買う人達の研究」というテーマの論文を執筆中であり、日本マーケティング学会の学会誌であるマーケティング・ジャーナルへの投稿する。
また、平成24年度に実施した実証データに基づく共著論文も執筆中であり、こちらも平成25年度中に投稿する。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は計画通りに執行した。未使用額12,635円は、PCや消耗品の金額が予定より安かったため生じたものである。未使用額は、今後の研究の推進方策でも述べたとおり、研究成果を公表するための論文投稿費用に充てる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 欲しくないものをなぜ買うのか?

    • 著者名/発表者名
      古川一郎
    • 学会等名
      日本マーケティング・サイエンス学会 第92回研究大会
    • 発表場所
      電通ホール(東京)
  • [学会発表] Why we buy what we don’t liketo buy?

    • 著者名/発表者名
      Chunji Jin
    • 学会等名
      LCBR(Lupcon Center for Business Research) European Marketing Conference 2012
    • 発表場所
      Marriotto Hotel, Munich, Germany
  • [学会発表] Evolution or Devolution? Retail Industry in Japan -Brand Power Perspectives for Last 11 Years-

    • 著者名/発表者名
      Ichiro Furukawa
    • 学会等名
      Korea Distribution Academy 2012
    • 発表場所
      Kyung Hee University, Seoul, Korea
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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