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2013 年度 実施状況報告書

ネットワークとしての地域ブランドの誕生と発展に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530526
研究機関北海商科大学

研究代表者

島津 望  北海商科大学, 商学部, 教授 (90306225)

研究分担者 橋元 理恵  北海商科大学, 商学部, 教授 (50434791)
キーワード地域ブランド / 社会ネットワーク論 / ソーシャル・キャピタル論 / 関係性マーケティング論
研究概要

平成25年度は、研究課題の「ネットワークとしての地域ブランド」に関して、地域観光の点から、観光地域ブランドの生成に係わる社会的ネットワークの作用を分析した。定性的データ分析法を用いて、観光地のブランドが形成される過程について、社会的ネットワーク論(ソーシャルキャピタル論を含む)および関係性マーケティング論の理論に依拠して、事例分析をおこなった。
分析の結果、次の点が明らかになった。1.観光地としての地域ブランド化には、衰退した観光地のブランドの再興を図るものと、これまでブランドとして認知去れていなかった地域を新たにブランドを構築するものとに大別できる。2.ブランドの再興には、旧来からその地域に影響力を持つ人物が指導的役割を担って、地域ブランドの諸要素をいったん解体して、地域の諸資源、人的関係などを再構築してブランドを再興する方法が多く見られる。他方、新しくブランド化を図るものに関しては、旧来からその地域に係わる者以外に、外部からの参加者が新たに加わり、旧来の視点では気付かれない新たな視点によって、地域の諸資源を発掘して、ブランド化する方法が見られる。3.両者とも、地域の観光資源および人的な社会ネットワークを、増殖する資源としての資本(キャピタル)化する、すなわちソーシャル・キャピタルとして捉えなおすことによって、観光地域のブランド化、活性化に成功している。さらに、その地域を訪れる人々との関係性構築、すなわち、関係性マーケティングも積極的におこなっている。
こうした視点が欠如している地域には、観光地としての地域ブランドの衰退が見られる。
以上の点から、今後の研究理論には、社会ネットワーク論(ソーシャル・キャピタル論を含む)と関係性マーケティング論の融合を図ることが必要となってくる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

採択時の計画では、平成25年度は、事例分析のためにブランド化を試みている観光地での実地調査(観察、ヒアリング)をおこなう予定であったが、研究代表者の体調が完全に回復しなかった情況であり、現地への訪問が出来なかった。その代替として、様々な二次資料を使って、テキストデータのみならず、画像データなどを、定性的データ分析の最新の手法を組み入れて、詳しく分析した。全体からみれば、当初計画に対して、やや遅れていることは否めない。

今後の研究の推進方策

平成26年度は、前年度に計画しながらできなかった、(観光、物品を含む)地域ブランド化に取り組んでいる地域を訪問して、一次資料の収集と分析をおこなう予定である。訪問予定地域は、北海道ニセコ地域と旭川地域である。前者は旧来のブランドを一新して新しく通年型の観光地としてブランド再構築化に成功している地域であり、後者はさまざまな地域ブランド(観光、物品)をあらたに生み出している地域である。すでに、両地域ともに訪問調査の際の、主要人物、機関との関係を作っている。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度に研究代表者が疾病を発症したため、研究計画に遅れが生じている。特に、事例選定地域における訪問調査を実施できなかった。疾病も回復に向かっているので、平成26年度は、事例選定地域を見直した上で、体調に支障がない地域において、実地調査をおこなう予定である。
平成26年度の使用計画には、事例選定地域における調査のための旅費を計上している。また、実地調査に基づいて、質問票調査も実施する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 観光地域の活性化とソーシャル・キャピタル2014

    • 著者名/発表者名
      島津望
    • 雑誌名

      HINAS ディスカッションペーパー

      巻: No.102 ページ: 1-25

  • [学会発表] 観光地ブランドの構築と観光カリスマ2014

    • 著者名/発表者名
      島津望
    • 学会等名
      日本商業学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20140111-20140111

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公開日: 2015-05-28  

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