研究課題/領域番号 |
24530528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
川野 訓志 専修大学, 商学部, 教授 (20244460)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大規模小売店舗法 / 自治体規制 |
研究概要 |
身内の不幸といったプライベートな出来事のため、もっとも研究活動に時間を割くことのできる年度の前半が活用できず、実質的に本格的な研究活動は秋以降になってしまった。 秋以降の作業は、手持ち資料の整理と、各市町村等が出版している地方史資料から、各自治体の大型店規制の動きを探ることであった。これまでに入手している書籍類から地方自治体による大規模店への出店規制がどのように展開したのか、単行本レベルではあるがほぼ全体像をつかめるまでになってきている。また関東近県の市町村史の調査を横浜市立大学図書館の地方史コレクション等を利用し精力的に行った。その結果、当時の大規模店問題について各市町村等がどのように対応しようとしていたのかを知るのに基本資料となる要綱や条例等を部分的ではあるが探し出すことができており、この成果を拡大する形で、今後他地域にも調査範囲を進めていくことが有効であると考えている。特に従来刊行されている単行本では、京都市や豊中市といった非常に特徴があり全国的に注目を集めた自治体規制が知られているに過ぎず、その他の自治体規制は大まかな集計データの形でしか扱われていなかったことからすると、その具体的な規制内容まで見つけだせたのは一定の成果といえる。 ただ、こうした成果はあるものの、まだまだ資料としては断片的であり、何よりも依拠しているのが単行本や地方史ということから、二次資料であり、今後地方自治体へのコンタクトをとり、行政資料や聞き取り調査といった一次資料の収集に重点を移す必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年春から夏にかけて、妻の父と当方の父が相次いで入院し亡くなるといった予期せぬ事態があったため、講義負担との関係でもっとも研究に費やすべき時期に研究を行えなかったことから、作業が滞ってしまった。 秋以降、遅れを取り戻すべく精力的に研究活動を行ったが、セメスター制でかつ当方の担当講義はかなりの部分が後期集中パターンとなっているため、平日はほぼ講義等で手一杯となり、図書館等で資料を集める程度のことしか行えなかった。 当初の研究計画であまり考慮に入れていなかった地方史資料に目を向けるようになったのは、こうした困難な状況の怪我の功名といえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、文献調査に加え、本格的な現地調査を実施したい。 まず行うべきことは、昨年度から作業を進めている地方史関連資料から調査すべき地方自治体をピックアップすることである。地方史によってはかなり詳細な資料のあるところもあるが、独自の大型店規制を実施していたことが他の資料から明らかであるにも関わらず地方史資料で取り上げていないことも多いことから、実地の聞き取り調査が不可欠であることを痛感しているからである。 前期と夏期休暇を十分に活用し、関東・中部圏を中心とした地方自治体の職員(元職員を含む)からの聞き取り調査を精力的に行い、併せて地元図書館・商工会議所所蔵資料を探索したい。 後期は講義負担が重いこともあり、それまでに集めた資料の整理や読み込み程度になるものと考えられる。また地方史資料の調査は資料が膨大でありきわめて時間がかかることから、昨年度同様今年度もこの作業を継続する必要がある。年明けには、関東近県から近畿圏にかけての現地調査を実施したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、昨年度と同様、資料収集が一つの柱となるため、書籍、複写関連に一定の金額を割く必要がある。また調査の進んだ地域、たとえば関東近県から徐々に現地調査つまり地方自治体での聞き取り調査(元職員を含む)といった作業へと移行していくため、旅費もかなりの比重を占めるものと考えている。作業の進行具合によって、謝金等も必要になるものと思われる。
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