研究課題/領域番号 |
24530532
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
若林 敬造 日本大学, 生産工学部, 教授 (90201144)
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研究分担者 |
佐藤 馨一 北海商科大学, 商学部, 教授 (00091455)
鈴木 邦成 日本大学, 生産工学部, 准教授 (20440448)
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キーワード | リバースロジスティクス / 庭先条件 / 燃料チップ / モーダルシフト |
研究概要 |
平成25年度研究は, 次に示す5つの基本研究項目について実施した。概ね、研究計画の通り実施することができた。 1) リバースロジスティクス効率化のためのモデル化:前年度に提案した拠点整備による効率化策に基づく改善案に加え, 回収システムにおける庭先作業時間の短縮と燃料チップ納入におけるモーダルシフト導入の効果検証を目的として, コンピュータシミューションを実施するため, 実態に合わせたシミュレーション規模や条件の決定, 並びに定式化の研究を行った。 2)庭先時間短縮のプロセスの明確化:庭先作業時間短縮のプロセスを明確化し, 改善案の提案につなげる。あわせて庭先作業時間短縮のための指標を作成した。なお、指標作成にあたっては、ヒヤリング調査を行い、関連項目の抽出を行った。3)モーダルシフト導入プロセスの明確化:燃料チップの納入プロセスを明確化し, 庭先時間短縮が可能となる改善策を明示した。モーダルシフトについては、トラック輸送に海上輸送を組み合わせるかたちを選択したが、今後、余裕があれば鉄道輸送についても考慮したい。4)環境負荷低減を考慮したシミュレーションモデル解析とモデルの解析と検証:提案した庭先作業の改善策及びモーダルシフトの導入による輸配送システムの効率化と環負荷低減を考慮したモデルを検証した。 調査対象である実際の回収実態に合わせたシミュレーション規模や条件によって定式化した。5)モデルに基づき実際にシミュレーションを行い, その数値結果を解析し, 改善策の効果を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
回収システムにおける庭先作業時間の短縮と燃料チップ納入におけるモーダルシフト導入の効果検証を目的として, 計画通りコンピュータシミューションを実施した。あわせて実態に合わせたシミュレーション規模や条件の決定, 並びに定式化の研究を行った。ただし, 庭先作業時間短縮のプロセスを明確化することには成功したが、庭先作業時間短縮のための指標については今後,さらに考察を深めていくために引き続き文献調査,実地調査,ヒヤリング調査を継続していく必要があると思われる。またモーダルシフト導入のためのプロセスの明確化についてはいくつかのシナリオを想定し,コスト比較,二酸化炭素排出量比較などを追加的に行う必要があると思われる。環境負荷低減を考慮したシミュレーションモデル解析とモデルの解析と検証については,庭先作業の改善策及びモーダルシフトの導入による輸配送システムの効率化と環境負荷低減を考慮したモデルを検証し,実際の回収実態に合わせたシミュレーション規模や条件によって定式化した。ただしその数値結果の解析結果について, 改善策の効果をより緻密に精査し,来年度の研究計画に反映させていくことが望ましい。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策は次の2つである。 1.リサイクル製品の輸送システムへのモーダルシフトの導入について仮説を構築する。 仮説は環境負荷低減の観点から効果的な輸送方法を検証し, その効果を検証する。 2.廃タイヤ由来の燃料チップの輸配送システムについて, 拠点整備と輸配送ネットワークの効率化がCO2削減とどのような関わりがあるのかを現状の工場別の直送について輸送モード別のシナリオを立て, CO2排出量を算出し環境負荷低減から見た輸送システムを明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
ICLS-2014がPoznam University of Technology in Polandで2014年7月2日から4日の期間にわたり開催される。2ヵ年にわたる研究成果をこのICLS-2014で発表するための費用を計上していたが、当初の予定より費用がかさんでしまい、これを補正するため。 ICLS-2014がPoznam University of Technology in Polandで2014年7月2日から4日の期間にわたり開催される。成田からポーランドまでの旅費や参加費が当初予定していた以上にかさむため、繰り越した費用をこの不足分に充当する。
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