研究課題/領域番号 |
24530533
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
金 雲鎬 日本大学, 商学部, 准教授 (10410383)
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研究分担者 |
秋山 秀一 兵庫県立大学, その他の研究科, 准教授 (30388889)
日高 優一郎 山梨学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90550335)
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キーワード | CRM |
研究概要 |
2015年度には、フィルードリサーチを中心に研究を進めてきた。まずはCRM実施の先端事例に対する調査を行った。その中でも山梨県の食品スーパー「オギノ」と北九州市のドラッグストア「39ドラッグ」を中心に調査を行った。 またこれらの企業の取引先であるメーカーや卸売、例えば、第一三共ヘルスケアや三菱食品に対する調査委も行い、小売側のみではなく、仕入先側の声を聴くよう心かけた。その結果、CRM実施の際には、小売り企業のみではなく、取引関係にある企業の協力体制が欠かせないことが明らかになった。 これらの発見については、研究チーム内で仮設構築の題材に活用しながら、発見内容を整理して学会報告(日本商業学会全国大会2013年5月と2013年12月)で2回の報告を行った。学会報告後には、関係者と研究交流を行い、さらなる専門知識を得ることができた。 また他の発見事実についてもまとめ、論文執筆・学会報告を準備している。2014年5月に行われる日本商業学会全国大会と、2014年9月にフランスで開催される国際学会(IMP)にもエントリーし、1次選考を通っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定では、成功的なCRM実施のためには、取引先との関係やコスト、新しい能力に注目する必要があるとの想定のもとで研究に取り掛かったが、調査によって、これら以外にもいくつか重要なポイントがあることが改めて発見できた。それは、組織構造と深くかかわるとのことである。 この組織構造も2次元でとらえる必要がある。まずどのような組織構造が成功的CRM実施の条件になるかが1つ目のポイントになる。そしてもう一つは、CRM活動が小売り企業の組織構造を変える可能性があることである。この点についても仮設構築ができており、調査を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続き、フィルード調査を進めながら、質問票調査も3回実施する。1回目の質問票調査は、山梨県に住む消費者を対象に、7月中に小売企業のCRM活動の効果について調査を行う予定である。この調査に向けて現在、仮設構築とレビュー、そして山梨県に住む消費者を対象にインタビュー調査を行った。 そして、仕入先企業に対する調査も企画している。小売企業のCRM活動を取引関係にある企業はどのように評価して、協力しているか。そしてこの関係がどのように小売企業の競争優位になるかを確認することが目標である。この調査に関しては、すでに調査協力企業リストができており、同じく7月実施を目標に進めている。 最後に、小売企業に対する質問票調査も実施する。この調査は、ほかの研究プロジェクトチーム(神戸大学研究チーム)との共同で実施するものであり、CRM活動の成功要因及びそれによる成果と組織構造変化メカニズムを明らかにすることを目的に実施するものである。すでに仮設構築が終わり、質問票設計段階に入っており、7-8月実施を目標に準備を進めている。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度に予定していた質問票調査が2014年度に実施することになったために、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は質問票調査の経費として使用する計画である。
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