研究課題/領域番号 |
24530539
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
崔 容熏 同志社大学, 商学部, 教授 (70315836)
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研究分担者 |
結城 祥 中央大学, 商学部, 准教授 (10554321)
原 頼利 明治大学, 商学部, 准教授 (30366900)
久保 知一 中央大学, 商学部, 准教授 (40376843)
高田 英亮 慶應義塾大学, 商学部, 講師 (90508631)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | マーケティング・チャネル / 協力 / 取引費用 / ケイパビリティ / パワー |
研究概要 |
次年度以降の実証研究の準備段階として、先行研究のレビューに基づく研究モデルの検討を中心的に行った。特に本研究課題の主要目的の一つは、マーケティング・チャネルにおける取引関係に関する二者間データから、その経験的妥当性を検証することにある。そのために、取引関係そのものの諸側面に関する当事者間の認識の相違が、取引関係の成果や関係の質にどのうような影響を及ぼしうるのかという問題に関して、重点的に検討が行われた。 例えば、特定の主体が行った取引特定的投資に関して、その投資の特殊度や他への転用可能性に対する当事者間の評価の違いが生じうる。あるいは、特定主体が保有するケイパビリティの性格や価値に関しても同様の可能性が存在する。その認識に一致もしくは不一致が、協力、情報共有、共同作業へのコミットメントなどに影響を及ぼす可能性が考えられ、ひいては関係のパフォーマンスにも影響するというストリーが想定される。以上の議論は過去チャネル研究が依拠してきた取引費用論の研究アプローチに、ダイナミック・ケイパビリティ・アプローチという新たな研究潮流を融合することで初めて可能になる。 モデルの精緻化及び実証研究の実施は次年度以降の課題になるが、今年度は以上の理論的な検討をベースにメンバー各自が国内外のジャーナル及び学会で研究成果を発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数回の研究会を通じて取引当事者間の認識ギャップという問題に今後焦点を絞っていくことに関してメンバー間の合意が形成されたこと、取引費用論やケイパビリティ・アプローチなど既存研究アプローチに対するレビューがある程度進んでいることなどを踏まえ、おおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は研究モデルの確定と実証研究のデザインを具体化していく計画である。また、ダイアドデーターの収集可能性について、ダイアドの大量サンプルを最も確保しやすい業種の絞り込み、国内外で外部業者への委託などを含め、具体的に打診をしていく必要がある
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度中に実証研究を実施できるのであれば、調査費用に費用の大部分を割り当てなければならない。その他、収集されたデータの入力のためにマンパワーが必要なこともあり、人件費にも一定の割合を考えておく必要がある。
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