研究課題/領域番号 |
24530541
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
吉田 友之 関西大学, 商学部, 教授 (80210706)
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キーワード | 貿易商務 / トレード・タームズ / 貿易慣習 / インコタームズ / 準拠規則 / 貿易実務 |
研究概要 |
わが国の地方に所在する中小貿易業者が使用するトレード・タームズ(貿易定型取引条件)の使用実態を明らかにするために、「輸入促進地域」(FAZ)〔1992年にFAZ法が制定され2006年に廃止〕の承認を受けた地方港湾地域に所在している、直接貿易を行っている業者を選定し、各地域の貿易業者に対してアンケート調査および聴き取り調査を実施した。 平成25年度は、大分地域、宮城地域に所在する貿易業者を対象にアンケート調査を実施した。 それらの結果は、日本貿易学会第53回全国大会において「トレード・タームズの使用動向に関する一研究」と題した研究発表を行い、その発表内容を日本貿易学会誌に投稿し査読の結果同誌への掲載が許可された。国際ビジネスコミュニケーション学会第73回全国大会において「トレード・タームズ使用時の準拠規則に関する一考察」と題した研究発表を行い、その発表内容を国際ビジネスコミュニケーション学会誌に投稿し目下査読中である。関西大学商学論集に、「地方貿易企業のトレード・タームズの使用における留意点」および「地方貿易業者が使用するトレード・タームズに関する時系列考察」を寄稿し掲載された。また、(一社)国際フレイトフォワーダーズ協会編『国際複合輸送業務の手引〔第8版〕』で「国際商取引契約とインコタームズ」を執筆した。さらに、(一社)大分県貿易協会、ジェトロ大分の海外ビジネス情報誌『OITA Trade & Views』で「輸入貿易取引をめぐる留意事項8―信用状、為替リスクの回避策―」、「輸入貿易取引をめぐる留意事項9―貿易関連の保険(前)―」、「輸入貿易取引をめぐる留意事項10―貿易関連の保険(後)、運送契約―」、「輸入貿易取引をめぐる留意事項12―輸入代金決済―」を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の研究では、平成15、16年度にわが国の地方に所在する中小貿易業者が使用したトレード・タームズ(貿易定型取引条件)の使用実態を反復的、継続的に実施し、その使用実態を時系列的に考察することを目的としている。 前回の調査の際には、各地域のジェトロ(日本貿易振興機構)、地元商工会議所、地元貿易振興協会などが「貿易業者名簿」を公開していた。しかし、平成17年に施行されたいわゆる「個人情報保護法」は、法人等の団体そのものの情報は個人情報に含まれないはずであるが、各団体による業者名簿の公開に影響を与えている。したがって物理的に前回と同様の調査は不可能となっている。その状況の中、現行において最大限の努力を払い可能な限り多くの地域に所在する貿易業者に対してアンケート調査を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
平成17年に施行されたいわゆる「個人情報保護法」は、法人等の団体そのものの情報は個人情報に含まれないはずであるが、各団体による業者名簿の公開に影響を与えている。その逆風の中、可能な限りの手段を用いて1箇所でも多くの地方貿易業者からのデータを収集することに努めたい。 また、既に入手したデータについてはそれ自体の分析を行い、あわせて前回(平成15、16年度)に入手したデータと時系列的な考察を鋭意行い、その結果を順次論文として公表していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
パソコン・ソフトのバージョンアップが平成25年度内に実施されなかったため。 パソコン(Windows8)購入およびパソコン・ソフトのバージョンアップの為に使用する。
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