リスク・マネジメントと危機管理の連携に成功した事例として,北海道から関東に多数の店舗を展開するホームセンターのケースを分析した。この会社は,東日本大震災の被災地域に複数の店舗を持っているが,震災前からの綿密なリスク及び危機対応を行ってきた結果,勤務中の従業員に犠牲者をひとりも出さなかったことで,店舗を地域住民の避難場所として開放したり,いち早く営業を再開したりするなどして,地域の復興に大きく貢献することになった。 このケースでは,リスクの認識及び危機発生時の行動について,定期的に実施される内部監査などの折りに従業員に繰り返し確認してきたことが,適切な危機対応につながっていたことが明らかになった。
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