本研究は、わが国企業の業績測定システムに関して、業績指標をどのように利用しているのか、および、どのように業績指標を利用すればどのような成果を得るのか、の2点について実証的に明らかにすることを目的とした。本研究の目的を達成するために、まず、書誌学的研究によって、わが国バランスト・スコアカード研究の今後の方向性を提示した。次いで、精神医療センターの事例を通じて、対立要素間の「テンション」を調整しながら、成果につなげる過程を明らかにした。また、星野リゾートの事例から、顧客満足の向上を財務成果の獲得につなげるためのマネジメントを考察した。
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