平成24年度・平成25年度に実施した病院への各種管理会計実践(原価計算、事業計画、価値企画)に関するアンケート調査データと組織成果データとの統合分析の結果を論文化し、学会で発表するとともに、掲載まで実現した。 また平成26年度に実施した病院運営医療法人へのバランスト・スコアカード(BSC)に関するアンケート調査の結果を整理し、考察を加えた。戦略マップ活用の積極性やBSCの多階層展開などの観点から、本格的なBSCを実践している法人と簡易なBSCを実践している法人との間での、BSC実践の違いなどを分析した。さらに、各種BSC実践とBSCによる各種事項(戦略の浸透、増収・増患、医療の質向上など)に関する効果認識の程度の関係性を分析することを通じて、組織成果等への効果を高めるために必要なBSC実践を明らかにした。 さらに平成26年度に実施したDPC対象病院への予算管理に関するアンケート調査の結果を整理し、広義の公私病院群間の違いも分析しつつ、考察を加えた。また、各種の予算管理実践と予算管理機能の利用度との関係性を分析し、予算の組織成果への効果を高めると考えられる機能利用度の向上に資する予算管理実践を明らかにした。また回答病院に関する財務データの収集活動をし、より客観的な財務成果データを基に予算管理活動の効果を検証するためのデータベースを構築した。さらに、予算管理による組織成果向上への管理者の努力を強めるための予算の管理者業績評価での利用及び報酬連動に関するインタビュー調査を平成27年度も引き続き実施し、その結果の一部は論文として掲載まで実現した。 加えて、今後、病院におけるBSCの組織成果への効果を客観的な質や財務に関するデータを基に検証するために、そうした客観データが入手できるDPC対象病院に対して、BSC実践に関するアンケート調査も実施した。
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