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2012 年度 実施状況報告書

中小企業における戦略の実行とKPIマネジメントの可能性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530553
研究種目

基盤研究(C)

研究機関富山大学

研究代表者

森口 毅彦  富山大学, 経済学部, 教授 (90293282)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードKPI(重要業績指標) / CSF(重要成功要因) / マネジメント・コントロール / マネジメント・コントロール・システム / BSC(バランスト・スコアカード)
研究概要

本研究は,わが国の中小企業が戦略の策定/実行を効果的に行うためのKPI(重要業績指標)を活用したマネジメント(KPIマネジメント)に関するフレームワークを構築することを目的としている。
平成24年度の研究では、既存の理論研究のサーベイを行い、KPIが伝統的に取り扱われてきたマネジメント・コントロールの枠組みの中でKPIがもつ役割・機能の展開を跡づけ,初期における産業別の成功要因(「産業別成功決定要因型」)としてのKPIから,「組織目標達成/戦略実行型」を経て戦略実行を明確に意図した「戦略実行型」へと展開され,さらに,BSC(バランスト・スコアカード)の登場により,重要変数(KPI)の役割は,戦略の実行を明確に意図したものとして決定的となっていったことを明らかにした。
その上で,「診断型のコントロール・システム」において意図した戦略を実行するという伝統的なKPIの役割を超え,今日その重要性を増している「対話型のコントロール・システム」にもまたがる体系的・包括的な役割・機能をKPIにもたせた新しいマネジメントのフレームワークを構想しようと試みた。そこで,KPIに,従来からの診断型のコントロール・システムにおける「戦略実行型」という役割に加え,伝統的な「産業別成功決定要因型」という役割を発展させた,マネジャーたちの戦略的不確実性に対する認識をサポートする「早期警戒型」の役割をもたせることで,KPIを媒介として診断型のコントロール・システムと対話型のコントロール・システムを結びつけ,戦略の実行と創発を一連のプロセスとして包含した新しいマネジメント・コントロールの枠組み(「KPIマネジメント・システム」)を提示した。
また,企業におけるKPIの利用実態を明らかにし,上記KPIマネジメント・システムの可能性を検証するため全上場企業3,547社を対象にした質問票調査を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は,わが国の中小企業が戦略の策定/実行を効果的に行うためのKPI(重要業績評価指標)を活用したマネジメント(KPIマネジメント)に関するフレームワークを構築することを目的としている。
そこで,平成24年度の研究では,①既存の理論研究のサーベイをとおして,KPIに関する概念の整理を行い,またKPIに関わる問題の所在・検討すべき課題を明確に規定したうえで,KPIを活用したマネジメントに関する理論モデルを構築すること,②このモデルにもとづき,KPIを活用したマネジメント・システムを成立させる諸条件に関する理論仮説を検証するとともに,企業におけるKPIの利用実態を明らかにするためアンケート調査を実施すること,を計画していた。
研究実績の概要でも述べたように,平成24年度には,既存の理論研究のサーベイを通してKPIを活用したマネジメントに関する理論モデルを構築し,また,企業におけるKPIの利用実態を明らかにし,KPIマネジメント・システムの可能性を検証するため,全上場企業3,547社を対象にした質問票調査を行っていることから,当初の研究計画はおおむね順調に進展していると思われる。

今後の研究の推進方策

本研究は,わが国の中小企業が戦略の策定/実行を効果的に行うためのKPI(重要業績評価指標)を活用したマネジメント(KPIマネジメント)に関するフレームワークを構築することを目的としている。
そこで,平成25年度の研究においては,平成24年度の研究で実施したアンケート調査について,質問票の集計を進め,その結果の分析を行い,企業におけるKPIの利用実態を明らかにする。また,KPIを活用したマネジメントに関する理論モデルに基づき構築した調査仮説の検証を行い,KPIマネジメント・システムの可能性について検討を行う。そして,KPIの導入各社において,識別されたKPIの活用によってどのような業績上のインパクトがあるのかを財務データ等にもとづき明らかにしていく。
以上のようなアンケート調査の成果を踏まえ,詳細な事例研究を行う。そして,KPIを活用したマネジメントに関する理論モデルに基づき構築した調査仮説の検証を行い,その検証結果に基づき,当初構築した理論仮説を検討し,KPIを活用したマネジメント・システムに関するフレームワークの検討を行っていく。

次年度の研究費の使用計画

「収支状況報告書」の「次年度使用額」の合計欄は46円であり,これは何らかの研究上の意図があって繰り越した額ではなく,明らかに端数残高である。したがって,次年度に特別な研究上の使途があるものではなく,すでに提出済みの研究費目明細書中の消耗品費の事務用消耗品に加算して使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] マネジメント・コントロール・システムとKPIの機能2013

    • 著者名/発表者名
      森口毅彦
    • 雑誌名

      富大経済論集

      巻: Vol. 58, No. 2・3 ページ: 203-245

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公開日: 2014-07-24  

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