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2014 年度 実績報告書

財務会計の概念フレームワークの国際的コンバージェンスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530557
研究機関立教大学

研究代表者

山田 康裕  立教大学, 経済学部, 教授 (20335160)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード概念フレームワーク / 金融セクター / グローバル・ガバナンス / 取引概念 / 基準設定
研究実績の概要

近年の基準設定を考える時,金融セクターの政治的影響のもとで公正価値会計が推進されてきたとの仮説は無視できない。最近改訂された国際会計基準審議会とアメリカ財務会計基準審議会の概念フレームワークは,金融セクターの強い影響を受けている代表例であるといわれている。
本年は,概念フレームワーク間の齟齬を1つの契機として開始された収益認識基準の改訂に着目し,はたして金融セクターの影響があったのか否かを検討したものである。収益認識基準の再検討が開始された2002年および革新的な基準変更が断念された2008年時点のボードメンバーに着目し,彼らのキャリアパスを検討することによって,いかなるキャリア出身のものが多いのか,すなわちいかなるキャリアがボードにおける意思決定に影響を与えたと考えられるのかを検討した。その検討にあたっては,先行研究の知見をふまえ,基準の再検討開始当初は金融セクターの影響が大きかったものの,金融危機をへて金融セクターの影響力は減少した結果,革新的な基準変更が断念されたとの仮説をたてた。検討の結果,革新的な基準変更が断念された2008年におけるボードメンバーは,2002年と比べ,金融セクターのキャリアをもつ者がむしろ増加しており,仮説のような解釈はできないことが明らかとなった。では革新的な基準変更が断念された原因は何であったのか。これを理解するためには,グローバルガバナンスという視点から,国際会計基準審議会の置かれた立場を考える必要があり,アメリカやヨーロッパへの配慮,国際的金融規制の一環としての会計基準の役割などを考慮する必要があることを指摘した。
研究期間全体においては,概念フレームワークなどの基準設定へのかかわり方,公正価値測定が簿記および経済に及ぼした影響,基準設定に対する金融セクターの影響等について検討した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 収益認識プロジェクトにおける基準設定の力学2015

    • 著者名/発表者名
      山田康裕
    • 雑誌名

      會計

      巻: 187(4) ページ: 431-443

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 簿記上の取引概念の拡大とその意義2014

    • 著者名/発表者名
      山田康裕
    • 雑誌名

      日本簿記学会年報

      巻: (29) ページ: 33-38

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 収益認識プロジェクトにおける基準設定の力学2014

    • 著者名/発表者名
      山田康裕
    • 学会等名
      日本会計研究学会
    • 発表場所
      日本大学経済学部(東京都千代田区)
    • 年月日
      2014-12-06
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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