本研究の目的は企業間関係におけるディスクロージャー行動について考察することである。第一に、2組のサプライチェーン(川上企業-川下企業)が存在し、川下企業が最終製品市場で競争する設定において、川上企業のコスト情報開示のインセンティブを考察した。このとき中間製品の価格交渉力とサプライチェーンにおける株式所有割合によって、川上企業の情報開示インセンティブが異なることを明らかにした。第二に、セグメント情報の開示の影響を考察し、市場規模、セグメント情報の精度、株価に基づくインセンティブ強度によって、ディスクロージャーのインセンティブが異なることを示した。さらに、それぞれの設定に関連する実証分析も行った。
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