研究課題/領域番号 |
24530561
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西谷 公孝 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (30549746)
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研究分担者 |
國部 克彦 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (70225407)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境情報開示 |
研究概要 |
文献レビュー:本研究の目的は、日本企業による自主的な環境への取り組みがその経済パフォーマンスに与える影響を、環境情報開示の役割に焦点を当てて実証分析することである。そのために、まず企業の環境への取り組みと経済パフォーマンスや環境情報開示に関する理論的・実証的文献のレビューを進めた。また、現在、企業の環境への取り組みは1社だけで行うのではなく顧客やサプライヤーと協働してサプライチェーン全体で行うという流れになりつつあるため、グリーンサプライチェーンマネジメントに関する文献レビューも同時に行った。 意見交換:本研究は、環境への取り組みと経済パフォーマンスの関係を分析するにあたって環境情報開示の役割を考慮した初めての研究であるために、この領域の第一人者の一人であるロンドン大学のJ.ウナーマン教授と研究プランについて意見交換を行った。 データ入手:研究対象となる東京証券取引所第一部上場企業の2012年度の環境報告書(CSR報告書やサステナビリティ報告書を含む)を入手した。 実証分析:以上のような文献レビューや意見交換を踏まえて、企業の自主的な環境への取り組みの一環としてのグリーンサプライチェーンマネジメントが環境パフォーマンスに与える影響や環境パフォーマンスが環境情報開示の質に与える影響について実証分析を行った。これらの研究はディスカッションペーパーにまとめている。これら以外にも国際学会で報告するために環境情報開示の質の規定要因に関する分析も行った。今後、これら個別の研究を最終的な目的に沿った形で一つの研究として落とし込む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、簡単な経済理論モデルに企業の環境パフォーマンスや環境情報開示データを当てはめて実証分析することによって、日本企業の環境への取り組みと経済パフォーマンスの関係だけでなく環境情報開示がその関係にもたらす役割を明らかにしようとしているが、現時点での進捗状況は以下のとおりである。 経済理論モデルの作成:最終的に用いる経済理論モデルの作成はほぼ完成している。特に環境パフォーマンスの種類によってモデルを変えている。 環境への取り組みに関する調査票調査、環境報告書の内容評価の実施: 1年分ではあるが環境報告書データの入手が完了している。また、それを用いた内容評価の実施についてはデータマイニングによる可能性も検討している。 実証分析の実施:最終的に統合する前に、重要なリサーチトピックに関してはすでに実証分析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
最終的に重要な課題を統合した分析を行うために以下のように研究を推進していく。 ・重要なリサーチトピックに関しては引き続き実証分析を行う。 ・Asia Pacific Interdisciplinary Research in Accounting ConferenceやInternational Symposium on Operations Management and Strategyといった会計学および経営学の国際学会で進行中の研究について報告を行う。 ・2013年度の環境報告書データを入手する。 ・環境情報開示研究を行っている外国人研究者と意見交換を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
資料収集や国内学会、国際学会報告のための旅費、論文の英文校閲費に主に研究費を使用する計画である。
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