研究課題/領域番号 |
24530564
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
高橋 隆幸 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 准教授 (50326071)
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研究分担者 |
野間 幹晴 一橋大学, 国際企業戦略研究科, 准教授 (80347286)
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キーワード | 会計学 / 税務会計 / 財務会計 / 租税法 |
研究概要 |
我々の研究テーマは、「従業員給付の税務をめぐる実証研究」です。租税が納税者の意思決定に影響を与えているか否か、与えている場合にはどの程度か、与えていない場合にはその理由を実証的に検証しようと試みています。今年度も昨年度から引き続き、確定給付企業年金の年金資産積立行動に関する研究、多国籍企業による国家間の税率差に対応した所得移転行動に関する研究及び不動産投資信託(REIT)の投資口価格形成における課税の影響に関する研究を行いました。 確定給付型企業年金における企業の年金資産積立行動(年金拠出額の決定)に関する研究では、昨年度に推定計算を行った限界税率を変数に実証研究をしています。その成果は、日本会計研究学会第72回大会(中部大学)において学会報告をしています。学会終了後に、追加研究として前払年金費用に着目した別の実証研究も行っています。 多国籍企業による国際的所得移転行動に関する研究では、昨年度に経済産業省のデータベースを利用させていただくことで、一応の研究成果を得て、学内誌に投稿掲載されました。今年度はさらにその研究に法定税率を加えることで発展させました。それとは別に会計データを用いた研究も行っています。今年度の成果は、日本会計研究学会第73回大会(横浜国立大学)にて報告をする予定です。 不動産投資信託(REIT)の投資口価格の形成における課税の影響に関する研究では、税務会計研究学会第25回大会(札幌学院大学)において学会報告を行い、学会誌『税務会計研究』第25号に投稿中です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
確定給付企業年金に関する研究においては、昨年度より準備を続けることによって、当初の計画通りに、学会報告をすることができました。翌年度の成果となりますが、報告をまとめた論文も執筆しています。さらに追加研究として、当初は予定していませんでしたが、学会報告でいただいたコメントをヒントにして、前払年金費用に着目した研究も行っています。 多国籍企業による国際的所得移転行動に関する研究では、昨年度の論文をさらに発展させました。その成果は翌年度の日本会計研究学会第73回大会(横浜国立大学)にて報告をする予定です。 不動産投資信託(REIT)に関する研究では、税務会計研究学会第25回大会(札幌学院大学)にて学会報告を行い、その成果を学会誌に投稿中です。
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今後の研究の推進方策 |
確定給付企業年金に関する研究では、今年度の日本会計研究学会第72回大会(中部大学)における学会報告の成果を論文として掲載されるようにします。また、前払年金費用を用いた研究に関しても、報告・論文といった成果が得られるように研究を継続します。 多国籍企業による国際的所得移転行動に関する研究では、日本会計研究学会第73回大会(横浜国立大学)にて報告をする予定です。さらに論文とすることを目標にします。 上記のほかに、平成21年度に導入された外国子会社配当益金不算入制度に関する研究を開始したいと考えています。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額が生じた理由は、当初予定よりも出張が少なかったこと及び研究が順調に進んだために、かえって謝金が少なくなったことが原因です。 次年度には、今年度にできなかった出張を行います。また、データベースを積極的に作成します。それによって、謝金を使うことになります。
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