本研究では公立大学法人の予算管理と学内資源配分を、主として法人化後の変化を中心にみてきたが、多くの公立大学においては、これまでの予算管理や学内資源配分を継続しつつ、ゆるやかな変化にとどまるところが多い。法人化によって設置者からの予算措置のあり方が大きく変わった大学においても、できるだけ従来のやり方を守ろうとしており、外部環境の変化がすぐに内部の変化をもたらすものではないことが見てとれる。しかし徐々にではあるが法人化の影響と見られる変化も観察されており、組織文化を含めた大きな変革に向かうのか、それともこれまでの組織文化を守るのか、今後とも目が離せない。
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