研究概要 |
平成24年度は、当初の研究計画に沿った文献研究および企業や研究機関への訪問研究を行うと同時に、問題点の抽出を目的とした予備的なアンケート調査を実施した。文献研究および訪問研究の成果の一部は、"Profit Management in the Hotel Industry", Management of Service Businesses in Japan, Japanese Management and International Studies, Vol.9,2013としてまとめることができた。また、研究代表者は平成24年度は米国内のワシントン大学に客員研究員として滞在していたため、同大学の研究者や学会への参加を通じて他大学の研究者と議論を積み重ねることができた。 以上の調査に加えて、本年度においては、問題点を抽出することを目的とした予備的なアンケート調査を実施した。本アンケート調査の集計、分析を通じて、キャパシティが制約されているサービス企業の収益性の向上策としてレベニューマネジメントを考慮するときは繁忙期と閑散期とを分けて考察する必要があること、繁忙期には計画段階における需要予測の実施が収益性に正の影響を及ぼすのに対して、閑散期には予約開始後のキャパシティマネジメントが効果的であることが明らかになった。また、予約開始後の価格の頻繁な変更は新規顧客の獲得には正の影響を及ぼすと考えられているのに対して、既存顧客の維持には負の影響を及ぼすと考えられていた。以上のように、効果的な価格コントロールの実施方法は、企業が直面する環境によって異なることが明らかにされた。研究代表者は、この調査結果を平成24年度に行われた24nd ASIAN-PACIFIC CONFERENCE ON INTERNATIONAL ACCOUNTING ISSUESにおいて報告した。
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