本研究は「統合レポーティングによる無形資産情報開示の学際的研究」をテーマとする研究期間3年間(平成24年度~平成26年度)の研究である。その分割課題として、研究計画の段階で(1)企業所法開示に関する学際的研究(学際的基礎理論研究)と(2)統合レポーティングの制度およびモデルに関する研究の2つを設定していた。 研究初年度である平成24年度には、上記分割課題の(1)について、社会学アプローチによる企業所法開示制度設計の理論研究、および経営戦略論を含むビジネス・プロセス開示の理論研究、といった視座から、統合レポーティングの基礎となる企業情報開示に関する学際研究を実施した。 ついで平成25年度には、上記(2)について、各種企業レポーティング・ガイドラインの内容と歴史的経緯の研究、各種企業レポーティングの事例研究、および統合レポーティングに関する先端理論研究を実施した。また、広く学会やシンポジウムで研究報告をおこない、統合レポーティングの本質的意義とその実践可能性について探究と啓蒙をすることができた。 これら2年の研究成果を踏まえ、研究最終年度である平成26年度には、統合レポーティング研究の現時点における一定の総括を意識し、平成25年12月に公表された国際統合レポーティング・フレームワークの制度的定着についての検討、および実務上のベスト・プラクティスの収集と実務実践上の今後の方向性について研究をおこなった。 これら3年間の研究成果については、統合レポーティングの学際的理論研究と実践モデルの分析を主題として、本年度以降のできるだけ早い時期に著書として取りまとめて公表したいと考えている。
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