本研究では、無形資産情報の開示を出発点として、従来の財務報告や会計学の範疇を超えた学際的な観点から今後の企業情報開示のあり方について検討した。その結果、今後の無形資産情報開示は、企業が創造する経済・社会・環境上の価値と関連づけられたうえで、拡張した広義の資本の循環過程に組み込まれて、統合レポーティングのなかで進展していくものと結論づけられた。そして企業は統合レポーティングを漸進的に進めていく過程で、これまでの経済的価値追求型の企業モデルから脱却し、統合思考にもとづいて戦略や事業を再構築するよう導かれていくであろう。
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