研究課題/領域番号 |
24530592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山商科大学 |
研究代表者 |
井上 信一 岡山商科大学, 経営学部, 教授 (10104704)
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研究分担者 |
ウ リン 岡山商科大学, 経営学部, 准教授 (60554003)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 日系企業 / 中国企業 / ハイブリッド化 / 経営環境 / コストマネジメント / 地場産業 / アジア展開 |
研究概要 |
本年度は、次のような研究・調査を行った。1)これまでの研究の到達点の整理、資料の収集、国内の国際研究集会(アジア太平洋会計学会(第13回)やアメーバー経営シンポジュームに参加、意見交換や資料収集を行った。新しいモデル(ステイクホルダーズ資本主義化における会計モデル)や、アメーバ管理会計の方向性などに示唆を受けた。2)メインテーマである中国進出の日系企業の調査研究を、中国の上海と大連を中心に実施した。同時に日中の部品メーカを集めた上海博覧会を視察し、日中両国における部品調査・製品市場などの現状に触れた。3)日本経営学会、日本会計研究学会、日本管理会計学会、日本原価計算学会で、関連資料とその動向を調査研究した。 4)地元岡山や香川の産業振興財団において、地場の中小企業のグローバル展開(アジア展開)について、専門家に面談すると共に関連資料を収集した。5)JETROやアジア経済研究所における最近のトレンドと研究の動向、資料収集をした。 6)同時に研究分担者は、別途、大阪で開催された「第2回 アントレナーシップ・コンファランス」にへ参加すると共に、関連資料の収集を行った。7)また研究分担者は別プロジェクトで、春休期間に中国企業を訪問し、工場見学と企業トップとの面談調査並びに関係資料を収集した。8)研究分担者の于琳は、「中国成長企業と成熟企業における経営環境に比較―経営者に対する調査による実証分析―」というテーマで、これまでの調査研究を日本経営学会で報告した。その概要は、経営環境の分析フレームワークを提示し、経営者への面談調査のデータに基づき、中国の成長企業と成熟企業の原材料市場、労働市場、金融市場、製品・サービス市場、情報市場との取引関係と政府関係、他企業関係等の経営環境の比較を行い、中国企業の経営環境の特徴を解明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載した内容を、ほぼ順調に遂行している。特に今年度は初年度なので、これまでの研究の整理・見極めと研究代表者と共同研究者の間の問題の摺り合わせを中心に行ってきている。 1)同時に、グローバル企業だけでなく、ベンチャー企業や中小企業をも視野にいれると、本研究の特性がさらにでるのでないかということで、幾分地場のベンチャー企業・中小企業の海外展開に力点シフトを配慮している。 2)研究費の関係で、中国での面談調査は1回が限度なので、研究分担者は他のプロジェクトでの面談調査による補足を行っている。3)同時にホーム校の研究費などを効率的に利用することにより、初期の目標を達成する予定している。同時に、4)これまでの研究、日本国内であるアジア・太平洋をテーマにした国際学会などでの外国人研究者との交流や資料収集により、その不足をカバーしながら、初期の目的を達成する工夫をしている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度研究費に若干の余裕ができたが、それは来年度の研究費と併せて使用する予定である。研究課題に書いた計画に従い使用したいと計画しているが、現在の対象国における政治状況や渡航可能性などが幾分影響することもあるか幾分の不安がある。 これまで資料・データ収集をベースに、文献研究をしっかりと行うと共に、現地調査も状況を見ながら、可能な範囲で対応してゆきたい。 同時に諸般の事情を考慮しながら、必要に応じて弾力的に周辺諸国(アジア地域)への調査(台湾、韓国、インド、東南アジア等)もあわせ行うことにより、そのアジア的広がりの中で、研究課題の周縁的な広がりの中で深めることも考慮している。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費は、主にアジア地域(東アジア、東南アジア、南アジア)における調査旅費を中心に使用する予定である。広くスタンスをとっている理由は、昨年9月19日の大連での経験(経緯)を踏まえて、同時に現在東アジア諸国との政治的な関係やサーズなど東アジアへの調査が不確定・微妙な状況にあるので、リスクを回避して順調に調査研究が出来るように、必要に応じてこれまでの調査研究を利用すると同時に、代替的な対応(調査研究)ができるよう広いスタンスからの調査計画を考えている。 これまでの中国(上海、杭州、蘇州など沿海部地域)中心の調査研究と共に、可能な範囲で台湾や韓国、インドへの調査研究も配慮している。インドは、中国と発展を二分する新興発展国であり、益々日本との重要な貿易パートナーになってきているので、新興国の比較研究の視点から、可能であればインドへの調査研究も考慮している。 また同時に日本国内でのアジアを中心にした国際研究学会などの調査旅費・資料収集旅費をも予定である。 それ以外には、経営学、管理会計、アジア経済、中国経済など、調査研究に関係する図書・雑誌、DVDの購入を予定している。また同時に、資料整理のためデジカメラなども大学の個人研究費と棲み分けながら、使用する予定している。
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