本年度は3年計画の最終年なので、これまでの研究調査およびアーカイブ・データ・資料の整理を行うと共に、以下の研究報告や論文の作成、研究ノートの作成を行っている。 1)研究分担者の于琳は、日本経営学会第88回全国大会(国士舘大学)と中国経済・経営学会〔第1回大会:東京大学)で研究報告を行うと共に、その成果を『経営学論集第85集』と『岡山商科大学論叢(50周年記念号)』に論文として掲載した。 2)研究代表者は、これまでの調査データ(とりわけアーカイブ・データ等)をもとに、在中日系企業の製造企業、商企業等の経営管理と原価管理のデータの整理を行った。同時に中国企業のマネジメントと管理会計、台湾日系企業の経営環境とコスト・マネジメントの実態と課題、インド企業と在インド日系企業等の経営管理と管理会計データとの比較を行うと共に、これまでの在EU日系企業や在米日系企業の調査資料の整理と研究ノートとして取りまとめを行っている。3)中国、インドなどにおける日系企業の経営管理の実態と今後について、各国の日本貿易振興機構(JETRO)現地情報センターにおいて調査データの収集・整理を行った。4)日本経営学会、日本管理会計学会、日本会計研究学会、日本原価計算研究学会などに参加すると共に、関連するグロ-バル企業のマネジメントに関して、資料収集・整理を行った。 これまでの調査データを面談調査に更に深めるため、代表者と分担者は、本年3月に中国での海外面談調査を、紹興市の中小企業と無錫市の日系企業への工場見学と経営環境の変化や経営者の役割、管理会計・原価管理のハイブリッド化の実態と課題等の調査を行った。各企業の当事長(社長)や経理部長にヒアリング調査を行い、その結果を整理している。
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