研究課題/領域番号 |
24530594
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研究機関 | 岡崎女子短期大学 |
研究代表者 |
河合 晋 岡崎女子短期大学, 現在ビジネス学科, 准教授 (20560725)
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キーワード | 会計学 / 自治体病院 / 経営改善 / 統計的分析 |
研究概要 |
交付申請書に記載した「研究の目的」の中で、「経営合理化がなかなか進まない自治体病院にあって、経営改善の取組みにより財務改善を達成した病院事例をもとに、統計的分析により経営改善努力と会計数値の関連性を明らかにする」とした。そして、同記載の「研究実施計画」(平成25年度)では、研究I:研究対象病院から提供していただく1次財務データのコンピュータ入力と、その分析および継続的インタビュー調査と、研究II:全自治体病院の公表データの整理と、事例・文献調査の実施、研究III:研究I・IIで得られた知見を研究対象病院の類似病院で適用できるかをアンケート・現地調査することで、当該知見の裏付けを図ることとなっている。 研究Iについては、平成24年度に医業費用のうち固定費に属する科目の一部に相関がみられ、医業収益については、その変化と経営改善との相関が明らかになっていたが、平成25年度は、経常収支比率や医業収支比率の過去10年の趨勢分析や全国自治体病院との比較分析、医業収益・医業費用内の構成分析を中心に行うとともに、平成21年度からの「病院改革プラン」の達成度を見ていくなどの手法で、経営合理化と会計数値との関連性を明らかにした。 研究IIについては、全自治体病院の公表データの整理は完了している(平成25年度は未発表のため、まだ終了していない)が、研究対象病院の1次財務データと全自治体病院の公表データとの量・質の相違から、一部類似の動きがある病院の特定がなされているものの、全体としてデータ分析の試行錯誤が続いている。 研究IIIについては、上記の知見を研究対象病院の類似病院で適用できるかのアンケート調査項目の設計に入っているが、まだ詳細なところまで落とし込めていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究Iでは、経常収支比率や医業収支比率の過去10年の趨勢分析や全国自治体病院との比較分析、医業収益・医業費用内の構成分析を中心に行うとともに、平成21年度からの「病院改革プラン」の達成度を見ていくなどの手法で、経営合理化と会計数値との関連性を明らかにしており、おおむね順調に進展している。 しかし、研究IIでは、上記【研究実績の概要】でも記述した通り、研究対象病院の1次財務データと全自治体病院の公表データとの量・質の相違から、一部類似の動きがある病院の特定がなされているものの、全体としてデータ分析の試行錯誤が続いている状態であり、一定の知見を得られたとは言い難い。また、研究IIIでは、アンケート調査項目の設計に入っているが、研究IIの状況から精緻かつ目的を達成すべくアンケート調査項目の設計には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究Iはおおむね完了しているが、研究IIは研究対象病院と全自治体病院の公表データをベースに分析を進め、早い段階で予備的分析であっても類似病院の特定を進める必要がある(研究IIは平成25年9月完了予定)。その後、研究Iの知見に基づき、研究IIIでのアンケート調査の実施を図るとともに、類似病院からの1次財務データの提供を依頼する方策で進める(研究IIIは平成26年9月完了予定)。 また、平成25年12月の学会発表(日本経営システム学会)で、経営改善といっても一般企業とは異なる手法が多いので、その異同点を整理してはどうか、また、経営改善において、一般的には人件費が最大のネックになっている病院が多いので、そこにターゲットを絞った研究にしていってはどうか、とのご助言をいただいたので、その点も念頭に置いて整理していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費(設備備品・図書・消耗品)はおおむね予定通りであるが、旅費については、MMRCものづくり管理会計研究会(東京大学)への出張が年6回の予定であったが、学務のため年2回しか参加できなかったこと、および研究IIIにおける研究対象病院との類似病院の特定の遅れから、現地ヒヤリング調査の出張を実施していないためである。 物品費は、自治体病院の公表データ整理のためCD‐ROMで保存管理をすることや、先行研究となる分析や調査が行われている文献を購入予定である。さらに、海外文献調査が不足しているので、その購入に充てる予定である。 旅費については、学務との関係もあるが、できるだけMMRCものづくり管理会計研究会(東京大学)に参加して、多くの先生方からのご意見を頂戴することや、学会発表などのために使用する。また、研究IIIの進捗状況により、授業が休みの間を利用して現地ヒヤリング調査のために使用する計画である。
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