研究対象病院は、患者満足度の向上、スタッフの待遇改善による安定的医療サービスの提供、政策変更に即した医業収益の改善に特徴があった。病院は、定められた診療報酬のもとでの規制産業となるが、政策を反映した診療報酬改定の趣旨と地域ニーズとをマッチングさせた収益面での経営改善が、過度に他会計負担金等に依存しない安定的な自治体病院の経営に繋がった。 研究対象病院では、病院事務局長の強いリーダーシップによる経営改善努力が、会計数値の改善をもたらし、慢性的赤字体質からの脱却を図った。経費削減、特に人件費の抑制に主眼を置く自治体病院が多い中、当該病院の経営改善手法は、自治体病院の経営改善において参考になる。
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