格差を分析する上では、社会階層変数に加え、社会的ネットワークに関連する変数も重要である。その一方で、ネットワークの測定には課題が多い。社会調査では一回の実施コストが大きく、分析を再現可能なデータは限られている。見出した知見に対してアドホックな解釈に陥らないために、慎重な検討が求められる。 そこで、比較分析のためのデータの蓄積が重要である。本研究では2013年度に台東区、2014年度に板橋区において郵送地域調査を実施した。これまでのデータと合わせ、8母集団の同時分析により、ネットワーク指標を検討した。弱測定不変/強測定不変モデルの適合度がよく、平均構造について正確な検討が行えることを確認した。
|