研究課題/領域番号 |
24530608
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研究機関 | 相愛大学 |
研究代表者 |
藤谷 忠昭 相愛大学, 人文学部, 准教授 (30368378)
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キーワード | 自治 / 国防 / 地域外交 / 社会運動 / グローバリズム / コスモポリタニズム / ナショナリズム / 環境 |
研究概要 |
今年度は、3度の現地調査、1回の講演を行い、現在、2本の報告書を作成中である。 現地調査では、まず8月中旬には与那国町を訪れ、町長選挙を視察するとともに、自衛隊誘致の賛否についてヒアリングを行った。また9月上旬には沖縄県庁を訪れ、物流と観光の両面から、与那国町の台湾との関係を中心にヒアリングを行った。こうした国内での情報を踏まえ、2月下旬には台湾を訪れ、まず花蓮市公所で修学旅行中の与那国町の中学生の表敬訪問を視察し、観光の担当職員などから姉妹都市関係を中心に現状について聞いた。また、与那国町の通訳をつとめている元助役から、交流の実情についてヒアリングを行った。併せて、国立東華大學、県立図書館、県庁などで日本との交流関係の資料収集を行った。また、台北では、国立図書館において、日本総督府時代の統計資料を花蓮市関連のものを中心に収集した。 これらの調査で、まず自衛隊の誘致については、反対は多いものの配備の可能性が高いこと、また花蓮市との関係については、姉妹都市としての友好関係は順調なものの、活発な経済交流にまではなかなか至らないことなどが明らかになった。こうした知見を通して、賛否で二分された与那国町の住民と自衛隊の誘致を進める与那国町との今後の関係について、さらに検討するという課題が残された。併せて、総督府時代からの歴史的関係に基づいた与那国町と花蓮市との市民レベルでの交流の可能性について検討することが、与那国町にとっての新たな対外戦略の一環になるのではないかという仮説を見出し、その検証という新たな課題が生じた。 11月下旬には、本プロジェクトのこれまでの成果を勤務大学の公開講座で広く公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定の調査は、ほぼ順調に進んでおり、目指していた資料や住民の見解も概ね、収集が進んでいる。また現地調査で、今後の研究の展望もより明確に開けてきている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度では、これまでの成果を踏まえ、現在の調査、分析をさらに先へと進めたい。具体的には、夏に予定されている与那国町議会議員選挙の動向と自衛隊配備の関係を考察、検討するとともに、台湾との関係をより深く知るため、資料の収集等を行う予定である。また、それらの成果を理論的に分析し、各種報告書の作成、また学会などでの公表に努めたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究のための物品の購入が、遅延したため。 研究のための当該物品を購入の上、従来の計画を遂行したい。
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