本研究はフィールドワーク調査に基づき、与那国町の状況を明らかにし、国境地域での存続のための地域戦略を検討した。与那国町は、30年以上、台湾の花蓮市との直接的な人的、物的交流を発展させようと試みてきた。だが、国家の規制、台湾の需要の低さなどから、経済的関係までには発展していない。一方で与那国町は、経済効果を狙って自衛隊基地の誘致を求めてきた。住民の激しい議論を経て、住民投票の結果、誘致を進めることになった。今後、議論で2分された地域が、どのように修復され、その上で、いかに国際的な交流を発展させるか。本研究では、今後の重要なプレイヤーを、歴史的記憶を巡って活性化している市民グループに見出した。
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