研究課題/領域番号 |
24530609
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
山中 速人 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (80191360)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / イスタンブール |
研究概要 |
2012年度の研究は、2012~2014年に実施される研究プロジェクト「可視化する地域社会の宗教/エスニック文化の比較映像分析~大阪生野とイスタンブル」の一部として行われた。イスタンブル(Istanbul, Turkey)において、イスラームに関連する宗教的シンボルが、街頭景観の中にどのように現れているかについて、市内の3つの街路(Carsamba、Ihlamurdere Cd、Barbaros Blv)を選び、比較研究した。 調査方法としては、最初に、街路の一部をサンプルとして選び、広角レンズを付けたビデオカメラを、進行方向に向けて歩きながら、街頭の風景を切れ目なく撮影した。つぎに、その映像の中に写っているすべての人々の服装に注目し、イスラームを象徴する服装のタイプで分類し、タイプごとの数と比率を求めた。 結果として、Carsambaでは、映像に現れた女性の81.9パーセント、男性の12.3パーセントが、イスラームを象徴する服装を着用していた。他方、他の2つの地区では、イスラームを象徴する服装を着用している人は、女性に少し見られた。(Ihlamurdere Cd 11.2%、Barbaros Blv 5.4%)しかし、男性には一人も見られなかった。 イスタンブルにおいては、イスラーム的表象が街頭に現れる程度は、地域によって、また性別によって差があり、地域ではCarsambaに、性別では女性に強く現れる傾向がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
カウンターパートであるイスタンブル大学文学部シェイマ・ギュンギョル教授研究室の献身的な協力によって、対象地区での映像収録を効果的に完了することができた。 さらに、本研究では、イスタンブルにおいてインフォーマントを選定し、映像を視聴させた後その読み取りをもとめるインタビュー調査を行う。この調査は2013年度に予定していたが、ギュンギョル教授の協力により、2012年度中に(2013年3月)その5人分を実施することができた。これらの作業を先行して行ったことによって、2013年度に予定している映像の分析作業をさらに効率的に実施することが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
2013年度に関しては、すでに映像の読み取りインタビューの過半を実施しているため、その翻訳を鋭意実施し、その結果を映像分析に活用していく予定である。また、その結果をもって、カウンターパートのシェイマ・ギュンギョル教授をイスタンブルに訪ねて、データ分析結果について討議を進めたいと考えている。 2014年度の最終年度に関しては、これらイスタンブルでの映像分析結果とすでに撮影記録が完了している大阪生野での分析結果との比較分析を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度に関しては、すでに映像の読み取りインタビューの過半を実施しているため、その翻訳を鋭意実施し、その結果を映像分析に活用していく予定である。よって、2013年度の研究費の約半分は、すでに実施されたインタビューの映像記録のトルコ語→日本語翻訳に費やす予定である。 また、その結果をもって、カウンターパートのシェイマ・ギュンギョル教授をイスタンブルに訪ねて、データ分析結果について討議を進めたいと考えている。よって、研究費の残りの半分は、研究代表者のイスタンブルへの海外出張費に当てる予定である。
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