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2014 年度 実績報告書

原子力開発地域における「脱・原発依存」の地域づくりに関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530612
研究機関弘前大学

研究代表者

大坪 正一  弘前大学, 教育学部, 教授 (80194215)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード住民運動 / 地域づくり / 原子力開発
研究実績の概要

福島原発事故以降世界中で脱原発の動きが広まっているが、核燃サイクル施設や原子力発電所、中間貯蔵施設などを抱える青森県では、さらに原子力開発に依存しようとする動きが強まっている。多少危険ではあっても、原子力開発を起爆剤とした地域づくり運動が進められている。福島県と青森県を比較して、地域代表者に対するアンケート調査、原発や核燃サイクルに反対する住民運動を調査した結果、この動きに対して有効な地域づくり運動は、原発の危険性を訴える学習運動ではなくて、原発に依存しない地域づくりをいかに進めるかを検討する学習運動であることが明らかにされた。
脱「原発・核燃依存」の地域づくりを考える際には、次の3点にわたる課題を地域づくり運動は考慮すべきことが結論づけられた。1つは、地域経済は運動概念であることを理解することである。経済的な豊かさを実現するためには、住民の主体的な運動に結びつくような地域形成の理論が検討されなければならないということである。2つは、住民自治に依拠した地域づくりと人間発達を可能にする地域づくりが目指されねばならないことである。地域づくりを単なる生産性向上の運動としてはならないし、「村を出て行く学力」を子ども達に強制するようなものであってはならないということである。3つめは、地域づくり運動の発展方向として、地域づくりにおけるコミュニティとリージョンという2側面を問題にする運動が展開されねばならないこと、そのためには、市民運動と労働運動の結合などの課題が提示された。
以上の課題をもとに、地域で展開されている様々な地域づくり運動の中に、原発・核燃問題がどのように位置づいているのかを、地域活性化運動、社会保障運動、労働運動、教育運動など15の運動を対象にして自分たちの独自の課題が原発・核燃問題とどう関わるかについて検討した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 核燃反対運動のなかで社会教育を考える2015

    • 著者名/発表者名
      大坪正一
    • 雑誌名

      月刊社会教育

      巻: No.712 ページ: 66-72

  • [学会発表] 東北の地域づくりと社会教育2014

    • 著者名/発表者名
      大坪正一
    • 学会等名
      社会教育研究全国集会
    • 発表場所
      山中湖畔莊ホテル清渓(山梨県山中湖村)
    • 年月日
      2014-08-25
    • 招待講演
  • [学会発表] 青森県における核燃反対運動2014

    • 著者名/発表者名
      大坪正一
    • 学会等名
      原水禁世界大会科学者集会
    • 発表場所
      福島グリーンパレス(福島県福島市)
    • 年月日
      2014-08-01
    • 招待講演
  • [図書] 地域づくりと原発・核燃サイクル問題2015

    • 著者名/発表者名
      大坪正一
    • 総ページ数
      251
    • 出版者
      弘前大学教育学部教育社会学研究室

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公開日: 2016-06-01  

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