本研究では、地域住民の集う各種の居場所を「コミュニティ拠点」として包括的に把握したうえで、コミュニティ拠点形成の現代的な可能性や課題について、聞き取り調査や参与観察から実証的に明らかにした。とくに、従来の地縁とは違う選択縁のつながりとして住民の社会参加を促し、住民をコミュニティに包摂する可能性をもった地域の居場所として「コミュニティカフェ」に焦点をあてて検討した。その成果として、地域社会学におけるコミュニティ論のなかにコミュニティ拠点の役割や機能等についての新たな理論的蓄積を加えることができた。
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