研究課題/領域番号 |
24530627
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
米田 頼司 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60144101)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 名所 / 和歌の浦 / 景観保全 / 公共的文化空間 |
研究概要 |
平成24年度の調査研究からは、以下のような知見を得ている。 1)古代から近世における名所の生成と変容は、「場所及び場所性のコスモロジカルな把握(名所化の原点)」→「コスモロジカルに把握された場所及び場所性におけるシンボリズムの成立(名所化)」→「コスモロジカルな磁場で成立したシンボリズムに対応する形での名所巡りの成立」→「名所巡りの民衆化」という歴史的・継起的過程として辿ることができること。 2)近世における「名所巡りの民衆化(名所の民衆化)」に対応して、とくに名所が民衆にも開かれた公共的文化空間として顕現する場合に、公権力の関与をもみなければならないが、和歌の浦の場合における紀州藩の政治的・政策的関与(保全・整備・開放)は、その先駆と位置付けることができること。 3)近代以降のモダニズムに喚起された新たなツーリズムの成立と展開は、古代から近世における名所の生成と変容過程とは連続性を持たない異質な様相を示すものであること。即ち、コスモロジカルな磁場で成立したシンボリズムとは遊離した開発と観光地化が近世までに成立していた名所において進み、また、“新名所”が出現するとともに従来の名所の消滅過程がみられることにもなる。 4)近代以降の名所の生成と変容過程は、名所の消滅過程を含む新たな様相を示すことになるが、こうした状況の進展とそれへの反射として歴史的景観あるいは歴史的環境の保全と再生が意識化されることになり、民衆にも開放された公共的文化空間としての名所の再評価、再認識が提起されるようになる。 5)和歌の浦は、以上のような古代から近世、更には近代以降における名所の生成と変容過程考える場合、その典型と考えられること、従って、和歌の浦をケースとする名所の生成と変容過程を明らかにし、その社会的メカニズムを解明する調査研究は、戦略的意義を有するものであること。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度における現地調査及び資料・文献の入手がほぼ予定通りに進み、それらに基づく研究及び理論的検討の進展により、今年度も継続した調査研究を更に進めることが可能になっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に引き続き、現地調査を実施し、資料と文献の入手を図り、それらを基に研究を進める。また、こうした調査研究と並行して理論的検討を行い、名所の生成と変容に関してこれまでに得られている知見を精緻化するとともに、生成と変容のメカニズムの解明を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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