研究課題/領域番号 |
24530633
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小川 玲子 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (30432884)
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研究分担者 |
平野 裕子 (小原 裕子) 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50294989)
大野 俊 清泉女子大学, 文学部, 教授 (10448409)
坪田 邦夫 明治大学, 農学部, 教授 (40432885)
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キーワード | 移民 / ケア労働 / グローバリゼーション / 台湾 / フィリピン / インドネシア |
研究概要 |
今年度は6月にCity University of Hong Kong で開催されたRisk, Life Course and Social Exclusion in Asia と題する国際会議で"Configuration of Migration and Long Term Care in East Asia: Intersections between Migration Regime and Care Regime in Japan and Taiwan"と題する報告を行い、昨年までの研究成果を報告した。同会議には多数の台湾人研究者も参加しており、後の調査にとって大変貴重な情報交換と人脈作りの機会となった。報告原稿はSocial Issues and Policy in East Asia: Family, Aging and Workと題する共著本として、Cambridge Scholars Publishing からの出版が決定している。 また、12月にはイタリアのトリノにあるCollegio Carlo Albertoで開催されたComparing Care-Migration Regimes Across Familialist Welfare States in Europe and Asiaと題する国際会議に招待され、"Migration Policies and Care in East Asia"と題する報告を行った。同会議は家族ケアを移民に依存している南ヨーロッパを対象として移民レジームとケアレジームの交錯点を探る試みであり、筆者らのアプローチがグローバル化するケアを把握する上では適切であることが確認された。 調査は夏に台湾に1カ月、春にフィリピンとインドネシアと台湾でフィールドワークを行った。また、オックスフォード大学の移民研究所のDBのレビューも行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東アジアにおけるケアのグローバル化を把握する理論的な枠組みとして移民レジームとケアレジームの交錯点を探るという試みについて国際会議で報告をしたところ、大変好評であり、ヨーロッパでも同様の試みに招待されるなど評価されていることを感じた。今後はさらに理論的に精緻化すると同時に、台湾と日本に関するフィールドデータを充実させていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は引き続き調査を継続するとともに、理論的な考察を充実させる予定である。保健医療社会学会、多文化精神医学会、国際社会学会などでの報告や一般向けの講演会などが予定されており、多くの分野の方々と議論を深めながら研究を進めていきたい。また、安部政権の介護分野への技能実習生の導入の動きもあり、議論の材料となるようなデータを提供できればと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
分担者が大学業務に忙殺されたため、研究時間が確保できなかった。 昨年からの繰越金を利用し、研究を継続。
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