研究課題/領域番号 |
24530636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
谷口 吉光 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (60222121)
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研究分担者 |
小笠原 正 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (50581295)
丸山 康司 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (20316334)
西城戸 誠 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (00333584)
茅野 恒秀 岩手県立大学, 総合政策学部, 講師 (70583540)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 再生可能エネルギー / 社会学 / 環境政策 / 秋田県 / 社会的受容性 / 風力発電 / 地域自主管理 / 農林水産業 |
研究概要 |
本研究の目的は、現在再生可能エネルギーの普及が飛躍的に進展する可能性が高い秋田県をフィールドとし、地域社会レベルにおける再生可能エネルギーの事業主体形成の条件と、事業主体が有効に活動できる制度的・社会的条件の解明することである。今年度の主な成果は次の通りである。 1.秋田県はこの1年で再生可能エネルギー導入計画が数多く立ち上がっている。このうち、①K建設による男鹿市の風力発電計画の調査、②S生協出資によるにかほ市の風車建設の調査、③K建設による能代市のウインドファーム建設計画調査などを行った。このうちS生協の事例は風車建設から地場産業との交流・連携が生まれた興味深い事例なので、昨年10月25日「風力発電が地域の内発的発展に与える可能性を考える」と題した公開研究会を開催した。2.農林水産関連の再生可能エネルギー導入が進まない背景を調査し、耕作放棄地、農業水利施設、森林、漁業施設等でそれぞれ特有の課題があることを明らかにした。3.地域自主管理の理論的な検討については、1月9日に市民風力発電の意義に関する研究会を開催したほか、丸山・西城戸による「風力発電の社会的受容性」に関する報告や論文、西城戸による「ポスト開発主義と再生可能エネルギー」に関する報告、茅野による「生業戦略としての再生可能エネルギー」に関する論文等、独創的な視点からの議論を提起した。4.全体として、秋田県における事例調査と理論的な検討を平行して進めることができ有益な1年だったと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述したように、全体として、秋田県における事例調査と理論的な検討を平行して進めることができ有益な1年だったと言える。
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今後の研究の推進方策 |
1.秋田県における再生可能エネルギー導入計画を引き続き調査する。具体的には、W事業体による仙北市の小水力発電、K事業体による潟上市の風力発電、S事業体による大潟村の大規模ウインドファーム計画、U事業体による秋田市の大規模有力発電、秋田県による洋上風力発電計画、U事業体によるにかほ市の風力発電等である。 2.また秋田県で昨年から立ち上がった2つの地域金融のスキーム(U事業体とA事業体)について調査を行い、その意義と課題を明らかにする。 3.地域主体の再生可能エネルギー導入のための理論的課題として、①事業主体形成の条件、②固定価格買い取り制度の意義と課題、③市民主導型事業の意義と課題、④地域金融の役割、⑤農林水産業の「障壁」の克服方法、⑥行政の役割等を検討し、現時点での一定の結論を出す。 4.上記の成果をもとに、研究終了時に研究成果の出版を準備する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.秋田県の事例調査の補助員と記録整理の人件費:80万円程度 2.調査旅費:40万円程度 3.研究会の参加旅費(9月):20万程度 4.学会参加費:30万円程度
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